君と一緒に海へ3 (ページ36)

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ティラside

肺が苦しい

今まで、ここまで走った記憶がないぐらいに走った

頭が真っ白になって、早く行かないとまた大事なものを失いそうで怖くなる

サボくんが持ってたコイン、アレは私の大切な親友の持ち物

持っているのは、私と2人だけ

この世で、3枚しかないもの

『デュークル…!! カイト…!!』

中心街の本屋で見たというサボ君

きっと、この近くにまだいるはず

急げばまだ間に合う

『お願い、待って………!!!』

この島にいるんだったら、お願い

待って…！

「おい、生き残りが2人いたって本当か？」

「あの忌々しい島の子ども達だろう？」

「今、警官に捕まって護送されるそうだ」

『…………！』

中心街の人たちがそんな話をしているのが耳に入り、私は走る足を止めた

「今、港にいるらしいぞ」

「様子を見にいくか？」

「汚らわしい子どもなど、誰が見たいものか」

港…港に…

『あ、あの…』

「ん？おや、ティラちゃんかい。今日はお買い物かい？」

『そう、じゃなくて…。海が見たいんだけど、港ってどこにありますか？』

「あァ、港かい？今は行かない方がいいよ。汚い子どもが今から護送されるらしいからね」

『…子供…』

「なんでも、約半年前ぐらいに滅んだ島の子どもなんだってさ。まァ、死んで当然の島の人間が生きてたら、生け捕りなりなんだってするだろうねェ」

死んじゃう…

デュークルとカイトが…、

「あ、ティラちゃん!?」

人の静止なんて聞かない

早く行かなきゃ

会わなきゃ

「離せよ！」

「カッちゃん…!!」

「離せよッ、おれ達が何したっていうんだよ!!!」

「黙れガキ!!」

「貴様らは生きていてはいけない人間だ!!!」

「ふっざけんな!!!」

いた！

『カイ……………!!!』

飛び出そうとしたとき、後ろに引っ張られた