君と一緒に海へ3 (ページ12)

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14話タンポポページ12

ー翌日ー

「あれ、ティラは？」

「あの子なら、洗濯物をしてるよ」

まだ7時も回っていないこの時間帯に、すでに起きて家事をしているのか…

眠たい目を擦りながら、ダダンの愚痴を聞き流して外に出ると自分の背丈よりも一回りぐらいの洗濯物を、干して力強く叩いてシワを伸ばす姿があった

「ティラ」

『あ、サボくん』

ニッコリと笑いながら、おはようと挨拶をするので、おれもそっくりそのまま返した

「手伝おうか？」

『んーん!! もうちょっとで終わるからいいよ』

大きな真っ白なシーツを持ってヨッタヨッタと歩いているティラが危なっかしくて、つい手を伸ばした

「手伝うって言ったろ？」

『でも…』

「友達だろ？素直に甘えろよ」

シーツを干していると、『ありがとう』と小さな声が聞こえた

「ティラはなんでも1人でしようとするクセ、直した方がいいぜ」

『え？』

「ルフィを守ることも、家事をすることも、お金を貯めようとすることも、何でもかんでも1人でしなきゃいけないって思ってるだろ？
友達だし、仲間だろ？少しぐらいは手伝えるから」

エースは使えても、ルフィは難しいだろうな…

『サボくんは優しいね』

「そうか？」

『うん…。…優しすぎて』

“火傷しちゃいそう”

そんな言葉がティラの口から出てきて、おれは「何言ってんだよ」と笑い飛ばす

ティラside

『今日で半年も経つ』

宝石箱に、今日の分のお小遣いを箱の中に入れながらそんなことを口にする

思い返せば、もう半年も経ってしまっている

簡単に忘れることのできないあの記憶に、私はいつまで蓋をしておかなきゃいけないのだろうか

いっそのこと、すべてを話して楽になりたい

でも、私だけが前に進んでいいわけがない

だから縛り続ける

自由になりたいと言う気持ちに

『海賊は嫌い…。嫌いになれない…。海賊は……………』

“海賊は楽しいんだ!!!”

『…………………』

宝石箱をそっとしまい、部屋を後にした