20話 ウロ様という人 ページ8
今日はまだ休みで、学校に行ってるみんなの帰りを待ちながら、烏森のことについて考える
烏森って一体なんなんだろう
考えれば考えるほどわからない
昨日、斑尾と金狼に聞いた限りでは…
“烏森が何かって？”
“だから昔ここらを治めていた殿様だよ”
“いや、その烏森の力ってのがなんなのかってことだよ”
“知るかい、そんなこと”
“じゃあさ、この土地の下に祠があって、そこに殿様の魂が祀られてるって話は本当なの？”
“多分ね”
“多分？”
“この祠ってのはさ、完全ではないにしろ結界で封じられてるんだよな？
その結界は誰がどうやって張ったんだ？”
“そりゃーーー、あんたらの先祖がどうにかして張ったんだろさ”
“おい、ちょっと待て。お前ら、その頃から妖犬やってたんじゃないのか？知らない訳ねーだろ”
“そういやそうだねぇ…。まあ昔のことだからねぇ…”
とか言って話終わったし
伝承が正しいのかさえよくわからないもんだし
あの変な巻物にも烏森のことはたいして書いてないし…
意地張らないで兄貴にもう少し聞いとけばよかったな
やっぱり怒られるの覚悟でおじいちゃんに探り入れてみるか
時音ちゃんも何か知ってないかな…
いや、ダメだ
時音ちゃんを危険に巻き込む訳にはいかない…
ー夕方ー
『……………………………』
「ただいま…」
『え、何その生き物』
「わかんねぇけど、ウロ様って言うらしい」
(なんだろう、この不思議な生き物は…)
良守が連れて帰ってきたのは、ウロ様というなんかもう、訳わからない生き物だった
「いやーーーー。ウロ様ようおいでなされた！
ささ、どうぞお好きなだけお召し上がりください！」
食前の前に座ったウロ様という人というか、なんというかわからない生き物に、おじいちゃんが下手に出てばっかり
そんなにすごいのかな
「言われた通り作りましたが…これ、いくらなんでも多すぎません？」
「ああ修史さん、すまんがどんどん出してくれんか」
ご飯を食べていれば、ウロ様はどんどん食べ進めて行ってしまう
「わかりました。どんどん作ります！」
「おお、すまんのう」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年10月14日 17時
