ヒーロー科と結界師3 (ページ45)

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『もう…』

「おし、任せろ！俺がいっちょとっ捕まえてきてやる!!
ただし、あいつの体がどうなるかは保証できないぜ？」

「待ちなさい。今日のところはいいわ
あたし達だけでやりましょ」

「え～～～～」

『あの子、戸惑ってるみたいだった
時間をかければ…仲良くなれると思う』

ー翌日ー

『ちょっと』

「………」

『あんた、学校どうしたのよ』

「…………」

サボり場としてチェックしていた場所に行くと、何故か限くんがいた

「夜行の紋を見せたら入れてもらえた」

(セキュリティガバガバだな、おい)

限くんはゴロリと背を向ける

『ちょっと、その態度やめてよ』

仕方なく、彼の近くに腰を下ろす

『全く…』

ﾋﾟｸｯ

ｶﾞｼｭｯ

『おお!?』

地面についたあの大きな傷

「お前の陣地そっから向こうな」

『狭っ!! 何よこれ!! これじゃ寝返りも打てないじゃない!!』

「棺桶の幅ぐらいはあるだろ」

『嫌な表現しないでよ!! そしたら何か!? 私はエジプトのミイラみたいな格好で眠れってか!?
死者の国から一撃お見舞いするわよ、このヤロウ!!』

「お前…もうなんでもいいから黙れ…」

『…じゃあ、静かにしてあげるしこの溝も直してあげるから、半分よこしなさいよ』

修復術で溝を直すと、限くんは素直に半分よこしてくれた

結界を張って、余計な音を遮断するようにする

『限くん、妖混じりってやつなんだって？』

「……」

『それって…烏森にいて大丈夫なの？』

「それについては散々注意を受けた。力を制御できていれば、むしろプラスに働く」

『怪我は、もういいの？』

「……問題ない」

ふーん

『いいなーーーーーー、ずるーーーーーーい!!』

限くんをチラリと見れば、こちらに振り返っていた

『私も良守も、傷治ってなくても疲れてても毎日戦ってんのにさーーー
そんなんだったらどんなに楽か…』

「別に…この身体…俺が望んだことじゃない…」

『でもさ』

「……？」

『速く跳べるのっていいでしょ？』

「…………」