ヒーロー科と結界師3 (ページ44)

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「賞金首？」

『「あたしらの間じゃ結界師は賞金首みたいなもんだ」って、大首車(コイツ)が言ってたんだけど』

「なにそれ」

「その「あたしら」って妖の間ってことか？」

「妖は金なんか欲しがらないよ」

「じゃあ何欲しがるんだよ」

「そりゃ力だね」

「でも、それは烏森(ここ)に来るだけでいいじゃない」

「ああ。わざわざ結界師と指定するからには、その首に別の価値があるんだろ」

『限くん、裏会から何か聞いてる？』

「何も」

破れた服で答える彼に、寒そうだなと思う

「そうか…名を挙げるってのはあるな…」

「え？」

「倒した相手が強ければ強いほど箔がつくだろ？
でも、それにはよっぽどその結界師が強いって有名じゃないとなー…」

「いや、それもあるかもしれないが…あのデカ頭、結界師じゃないと倒しても何も出ないって言っていた。
何か報酬があるんだろう」

(あれ、意外に協力的…？)

「そりゃ報酬出す奴がいるってことだな」

「コイツさーー、ここのこと“奴ら”に聞いたって…」

「奴ら？」

「それってやっぱ、ここを狙ってる奴らのことだよな…」

うわ、なんかもう嫌になってきた

『なんかますます面倒なことになりそうな気がしてきた』

「あたしも」

「とにかく…早いとこここ直そうぜ」

『そうだね』

「オイ、志々尾。ちゃんと直してけよ、壊したところ」

「……」

「な…なんだよその目は!? あーそうさ！ここがぐっちゃぐちゃになったのは守香のせいさ!!
あーーー守香のせいさ!! でもお前だって壊したろ！あっちの方とか!!」

『何度も言わなくていいわよ!!』

良守の胸ぐらを掴んで怒鳴ると、限くんは「俺は…そういうことはできない」と言って行ってしまう

「オイ！」

『待って！』

行ってしまう彼の手を取る

『修復術は使えなくても、瓦礫運んだり片付けたり掃除したりはできるはずだよ。手伝いなさい！』

そう言えば、見たこともないような顔になる

ﾊﾞｯ

『！』

「無理だ。俺は、壊すだけだ」

『限くん！待って！その怪我大丈夫なの!? ちょっと！』

飛んでいく彼に問いただすも、耳を傾けてくれるわけもなく何処かへ行ってしまった