ヒーロー科と結界師3 (ページ42)

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「あ、よかった。声は聞こえてるみたいね」

「ぐ…」

「あ、ダメ動いちゃ…。大丈夫、あのくらいなら、良守と守香に任せといて問題ないわ」

そう言う時音につられ、限は空中で結界を張って戦う2人を見上げた

「うわっと!!」

『くっそーーー、もう少しなんだけど…』

自分たちに向かってくる大首車に、結界を張り自衛する

「ちっ！」

『くっそ！』

(？何を狙ってる？)

限はのそりと起き上がると、時音が止めに入った

(傷が塞がってる!?)

大首車にやられた傷が、塞がっている

スタスタと歩いていく限は、戦っている2人を見上げた

そして、戦っているのに笑っている2人を見て驚いた

(…なんだ？いや…知っている…この感じ)

2人「結!!」

大首車に結界を当てる

(狙っていたのは相手の動きを止めるタイミングも力加減か…でも…あいつら、あんなに強かったか？
いや、知っている…戦いの状況に合わせて変化し、その集中力と共に全ての感覚を尖らせていく…時々いるんだ、ああいう…
戦いの中で進化していく奴らが!!)

「結!!」

『あ！』

「ちっ！」

『もっとダメージ与えないと、滅までもっていけないか…』

2人が何かに気づき、顔だけ振り向いた

月明かりに照らされ、表情が見える

「志々尾ぉ。もうしばらく」

『くたばってても大丈夫だよぉ』

“良守と守香と合うと思ってさ”

頭の中に繰り返し流されるあの言葉

「……そういうことかよ…」

限はピクッと指を動かし力を込め始めた

(…ちくしょう。こいつら…俺と同じタイプだ)

守香side

「結!!」

良守の結界を避けた大首車に、イラつきながらも考える

やっぱりあの速さ…囲うにも攻撃を当てるにも厄介だ…

しかも…向こうから攻撃を仕掛けてこなくなった…

逃げ回って力を貯めるつもりだ…

さっきと同じ手は使えない…どうする…？

ｶﾞｼｯ

「な!? オイコラ、何してる！俺の結界だぞ!?」

『げ、限くん』

良守の結界にぶら下がっている