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志々尾くんはそう言いながら目を見てくる
『じゃあ、雄英の方』
「………」
「おい、守香!!」
「ちょっと、守香を下ろして」
『大丈夫だよ』
2人「え？」
『この子、反省してるみたい』
志々尾くんの制服を掴み、フェンスから飛び降りるようにして行く
ﾄｯ…
振動が来ないように静かに降りてくれた志々尾くんは、「どっちだ」と聞いてきて、『あっち』と指をさす
『キミ、夜行なんだよね？』
雄英に送ってくれるというなら、聞くなら今しかないと思って聞いてみれば、だんまりだった
『志々尾くん』
「…！」
『名前、あまり呼ばれたくないんでしょう？』
眉が小さく動く
「…別に」
『じゃあ、限くんでいい？』
「…好きにしろ」
『ねえ、限くん』
「……」
呼んでみれば、チラリとこちらを見られる
『兄貴のこと、知ってるんだよね？』
「…………まあ」
『兄貴のこと、尊敬してんの？』
限くんは、答えなかった
.
『よっ、と…』
優しくおろしてくれたけど、やっぱりまだ痛む
これ、ヒビはいってないよね？
「…強く、蹴りすぎた」
『……え？』
首の後ろに手を当てた限くんは、反省の色が丸見えで嘘がつけない子だというのがよくわかった
『…………フフッ』
「………………？」
『良守とおんなじ…』
「は？」
『嘘つけないところ、優しいところ…、素直なところ』
「……………………」
『私はさ、良守みたいにあんまり突っかかるような真似はしないようにするけど、良守の悪口とか、時音ちゃんを傷つけたりしないでね』
「…………………………。自分が傷つくのはいいのか？」
『構わないよ？それで、2人が守れるなら、命だって捨てる』
「…………………………変わった奴だな」
『まぁ、よく言われる。それに、あそこで仕事をするからには、キミもその中に含まれるかもしれないから』
ゆっくりと雄英の門をくぐる
『送ってくれてありがとう。限くん、強いね』
「……悪かった」
『もう怒ってないよ。気をつけて帰ってね』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年10月14日 17時
