ヒーロー科と結界師3 (ページ25)

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「……」

時音ちゃんに聞いたけど、黙ったまま妖を見上げている

『時音ちゃん…矢が…！』

内側から矢を向けられる

「良守！守香！あんたらに小細工は必要ない。一つの結界に集中しな！援護する。タイミングを逃すんじゃないよ」

私たちの結界の中に、小さな結界が現れ始める

「結!!」

細い結界が妖の体を貫いた

ﾋﾟﾝｯ

いける

3人「滅!!」

残った破片から再生されると困るので、時音ちゃんが天穴をしてくれた

「ふーーーーっ…。これは…また応援呼ばなきゃダメそうね…」

『うわぁ…殺風景』

木がなぎ倒され、地面にはいくつものクレーターみたいなのができていた

「おい時音。今のなんだよ」

「え？」

「今の細い結界だよあの三重のやつもそうだ。いっぺんにいくつも結界作ってたろ
あれなんなんだ？」

「何って…」

「お前はアレか、コソコソ新しい技の開発とかしてやがったのか!?」

「コソコソって…アレは今思いついたのよ」

「嘘つけ！」

「あーくそ！ずるいぞ、なんだそれ!?
見ていろ、俺たちだってそのうち恐ろしい技を…」

『さっさと応援呼ぶ式神飛ばしなさいよ』

ったく、こいつは…

ﾋﾟｸｯ

「なんだ!?」

『今、一瞬邪気が!!』

「同時にあたしの式神も消えた…」

「式神？」

「白尾が他にも侵入者がいるって言うから、偵察用に放っといたんだけど…
でも、人間の匂いだったんでしょ？」

「ああ…。だが妙だな…臭いが変質してきてる」

……あそこか

結界を作って校舎の屋上に向かうと、スーツ姿の男がいた

『そこで何してんの』

時音ちゃんが言ってた人間だとしたら、早くこの学校から放り出さないといけない

でも…

白尾が言っていた、“臭いが変質してきてる”としたら…

ﾊﾞｼｭｯ

『あ！』

フェンスの上を走っていく人間なのか妖なのかわからない男

『ちょっと!!』

角まで行くと、男は腕を変形させ体育館の屋根に引っ掛けて飛んでいった

『あいつ、絶対人間じゃないだろ!?』