ヒーロー科と結界師3 (ページ20)

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「じじいー!!」

『良守、待ってよ！』

ﾀﾝ

「ちょっと聞きたいことあんだけど」

.

「結界について？」

「うん、ここにさ…結界はそれをかけた術者が側を離れるほど効力が下がるって書いてあるだろ？
てことは、術者がいない所に結界を固定するには別の力が必要ってことだ
ウロ様の寝床の場合はそれがあの「呪具」なんだよな？
そんで、囲んでるのが神様なんてすごいもんだから、時々壊れるんで俺らが力を補給しに行く。違うか？」

「まあそうじゃが…それを聞いてどうする？」

『別に…結界師が結界について知りたがったっておかしくないでしょ？』

私は寝床に行ってないけど、それに感じたような気持ちはした…

よく考えればそうだよね…

強力なものを抑えるには強力なものが必要…

てことは烏森の封印にもそれ相応のものが必要…

もしかしたら、間時守が必要としていた「土地の力」ってそのための…？

(でもその封印も結局不完全なんだよね…できんのか？私に…。いやきっと何かうまい方法が…)

「でもあの寝床って俺らの使っている結界とは…形って言うより質？が違う気がすんだよな。あれって一体…」

『私も感じた』

「え、そうなのか!?」

『うん』

「良守、守香。あまり急ぐな
滅多にない機会じゃから行かせたが…今はその感覚だけ覚えておけ
間流も使いきれぬうちから首を突っ込む領域ではない」

「？あれは間流とは違うのか？」

『神の寝床って間時守が作ったものじゃないの？』

「間流結界術は時守様がわかりやすく使いやすいようにと考案した一つの方式じゃ
あれは…少し違う。とにかく、お前たちがすべきは目の前の修行に励むこと
今は力の使い方を覚えろ

使い方を知らぬ力など…ただの害にしかならんからな。
良守、守香。前にも少し言うたが、最近、烏森は少しおかしなことになってきとる

気をつけろ」

ーその夜ー

「あんたらさァ、いい加減にしなよ」

「そりゃあ若いうちは悩むもんだけどさァ、考えるより即行動があんたらのいい所だろう？」

悶々と考えていると、斑尾と金狼がそう言ってくる

「なぁ、斑尾、金狼…」