ヒーロー科と結界師3 (ページ18)

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「ご、ごめんなさい…」

『いや、謝らなくていいよ』

雪村家の時に散々騒がしたあの黒光を始末し、袋に入れている

夕方に、お風呂から上がって宿題をやり終えた利守の友達を見送ることに

「今日はホントごめんね…」

「いや結構楽しかったぜ」

「兄ちゃん面白かったし」

「1番上のお兄ちゃんなら、もっと落ち着いててかっこいいんだけどね…」

『それ言ったら良守が不憫だよ、利守』

「え？あれはあれでいい兄ちゃんじゃん」

「お菓子作れるしな！」

「ん…まあ…時々は頼りにならないこともないけどね…。でもやっぱり、お姉ちゃんが1番マシだよ」

『利守、それどういう意味？』

その夜は結局出前をとった

なぜか良守はへこんでた

「なんでアレよけられなかったんだろ…
時音ともなんでか気まずくなるし…」

『ちょっと、ため息つかないでよ』

「うおっ、このカツ丼意外にうまくね!?」

単純な人なのですぐに回復したようだ

「お姉ちゃん」

『？』

「ちょっと教えて欲しいんだけど」

『あ、うん』

仕事まで時間があり、本でも読もうとしていた頃に利守が入ってくる

ドリルを広げて、わからない場所を色々と言ってくる

『ってなるの、わかる？』

「あ、そっか」

『そうそう、それでこの計算式に』

さすがは利守

教えてみれば、すぐにわかるらしい

『利守みたいに、勉強できれば良守もちょっとは落ち着くのにねぇ』

「お姉ちゃんもだけど」

『利守…』

「でも、お姉ちゃんが勉強して1番になったっていうのは、すごいよ」

『！』

「それは良兄にはできないし、正兄にもできないと思うよ」

『…そっか』

今日の利守、なんかよく褒めてくる

『あ、そろそろ行かなきゃ』

「あ、ごめんね」

『いいのいいの、勉強は減るもんじゃないからね』

仕事着を取り出し、着替えていく

「お姉ちゃん」

『ん？』

「がんばってね」

『おうよ』

利守に応援されたからには、頑張らなくちゃね

その夜の仕事、私は盛大に張り切った