ヒーロー科と結界師3 (ページ17)

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『？』

ノックされ、『はい？』と答える

「お姉ちゃん」

『利守？どうしたの、そんな顔して』

ふすまを静かに開けて焦った顔を浮かべる利守に、慌てて駆け寄り目線を合わせる

「ど、どうしよう…」

『？』

利守に案内されて向かう先には、気絶した利守の友達と様子を見る良守の姿

『どうしたの、利守』

「家荒らされそうだったから…止めるのに思わず結界使っちゃって…
そしたら…そしたら…2人とも思い切りぶつかっちゃって…」

なるほどね…

『良守、どう？』

「目ぇ回してるだけだな」

泣き出しそうな利守の頭に手を置いてギュッと抱きしめる

『だーいじょうぶ。目ぇ回してるだけだってさ。
しばらく休めば治るよ』

「でも、僕、友達に結界かけるなんて」

「俺なんか友達散々結界ですっ転ばしたぞ」

『フォローになってないわよ』

「でも、もう少し術の使い方は練習しといた方がいいかもな」

『これからゆっくり勉強していこうね』

「うん…」

『じゃ、水とタオル持ってくるから。2人は加減見といて上げて』

「ああ」

「お姉ちゃん!!」

『ん？なぁに？』

立ち上がり、台所に向かおうとすると、利守に呼び止められた

「ごめんなさい…」

『…利守のせいじゃないよ。大丈夫だから、もう泣かないの』

利守の頬をペチペチと軽く叩き、台所に向かって水を汲んでくる

濡らしたタオルをつけて、戻り絞って2人と頭にかぶせる

しばらくしてから、ゆっくりと起き上がる2人

「お、気づいたか」

「あの…ごめ…」

『もう少し冷やしといた方がいいよ。利守の話だと相当派手に転んじゃったらしいから』

「な！」

『他に痛むところはない？』

そう聞くと、台所の方から叫び声が聞こえた

あの声…

良守が駆け出し、私たちも後を追いかけた

「どうした、時音ーーーー!!」

『え』

そこには、ご飯をぶちまけ叫ぶ時音ちゃん

こういう時こそ結界術を使って交わせばいいんだろうけど、そこまで反応しきれず

私たちは仲良くカレーを頭からかぶった