ヒーロー科と結界師3 (ページ37)

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「なんじゃい騒がしいな」

「あ、お義父さん！もーー、どこ行ってたんですか、お客さんですよ」

おじいちゃんはテーブルの隅にあるものを見た後、限くんと自分の部屋に向かってしまった

.

「あーあ、せっかくたくさん作ったのにーー。なんで志々尾くん帰っちゃったんだろう…
良守さーー、今度ちゃんと招待してきてよ」

「だから友達じゃねんだって!!」

『あ、父さん。ご飯ちょっと残しといて』

「え？お弁当持っていくの？」

『いや、タッパーに入れて持ってく』

「？」

『良守、私先に出るね』

「え、もうかよ!!」

『ちょっと寄るとこあるの』

「は、どこに!?」

『じゃあ、父さん頼める？』

「いいけど、すぐにかい？」

『できればなんだけどね』

「わかった。待っててね」

その間に仕事着に着替えては、玄関で靴を履く

「守香」

『サンキュー』

「うん。でもいいの？良守おいてって」

『いーのいーの。行くとこ、良守は好きじゃないと思うし』

「？」

『じゃ、行ってきます』

「あ、うん。気をつけてね」

金狼の小屋の前に立つと、フワリと綺麗なものが出てくる

「なんだい、今日は早いじゃないの」

『まだいいよ。良守と斑尾と一緒に来ればいいから』

「どこに行くんだい？」

『…昼間に来てた男の子の家。どうせ、コンビニ弁当で済ましてそうだし、年頃であー言う子にはちゃんと食べてもらわないとダメでしょ？』

じゃ、と手を振って金狼と別れる

(嘘つきな…。気にかけるって言うことは…良守と似てるからってことでしょ)

住所は限くんの手帳を見た

無用心なのが悪いよね

『ここだ』

階段を上がり、住所にある部屋の前に立つ

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

『あ、やっぱり無視か』

なら

式神に、“ドアの前”と書いて窓側に回らせる

しばらくしてから、ガチャッと施錠音が開いた音がする

「…なんのよ」

『じゃーん、父さんからの差し入れ』

「…は？」

『夕飯たくさん作ったらしいから、食べきれないってことで持ってきたの。食べ盛りの男の子には、たくさん食べてもらわないとね』

「あ、おい!!」

『じゃ、それ食べてね。タッパーはいつでもいいから』