ヒーロー科と結界師3 (ページ35)

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「1組の担任に田端が直撃したら、「個人の家庭の事情を詮索するものではない」って説教されたらしいから十中八九そうだな
ふざけたクソやろうだがな」

『あんた、まだ根に持ってるのね？』

「当たり前だ!!
他の奴らの印象も、無口、無愛想、怖い、近寄り難い…ただ、尖ったナイフみたいな雰囲気がカッコいいとかいって女子に大人気…そんな奴ら刺されてしまえーーー!! あー、また腹立ってきた!!
やっぱ奴にもう一言ぶちかましてやる!!」

いつになく荒れてる…

特筆事項に良守と仲が悪いって追加されてそう…

「あ、やべっ!!」

『？』

「俺、ちょっと忘れものしたから先帰っててくれ」

『うん』

学校方面に戻って行く良守と、家へと向かう道を進む私

『ただい…』

「当主は御在宅ですか？」

『げ、限くん？』

「…！」

「あ、お帰り守香。この子、良守の友達？」

『あ、そうじゃなくて』

「裏会の使いの者です。こちらの当主とお会いしたいのですが」

『…というわけなの』

父さんに言われ、荷物を持ったまま客室へと限くんを通した

『待っててね、お茶いれてくる。茶菓子は好き？』

「いや…」

『わかった、甘いの苦手だね？』

「……」

『じゃあ、甘くないお菓子…あ、やっぱりおせんべいの方が良い？』

「…いや」

『とりあえず、お茶入れてくるね』

台所へ向かうと、父さんが慌てていた

「守香、おじいちゃんどこ行っちゃったか知らない？」

『父さん、知らないの？』

「うん。声をかけずに出かけることってあんまりないんだけど…
もしかしたら、近所の囲碁仲間のところかも知れないなぁ」

『…おじいちゃんのことだから、多分すぐ帰ってくるよ。限くんのお茶入れるけど、父さんはいる？』

「あ、いいよ。お父さんは自分でやるから」

『うん、わかった』

きゅうすにお茶を入れて、湯呑みとおせんべいを持っていく

『限くん、お待たせ…。あれ、どうしたの？』

「あ、いや…」

奥の部屋のふすまを開けようとした限くん

『気になるでしょ、この家の構造』

さほど気にしないそぶりで座り、お茶を入れていく

『私も、小さい頃はこの家の中駆け回って兄貴にこっぴどく叱られたよ』