ヒーロー科と結界師2 (ページ34)

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『な、んだよ…説教か!?』

兄貴の胸ぐらを掴むと、「自覚を持てと言ってるんだ」と言われる

「お前は選ばれたんだ。自覚を持って行動しろと言ってるんだ」

『…………選ばれた、選ばれた…。そればっかりかよ…』

「守香ちゃん？」

「………………？」

『てめェにわかるかよっ!!!』

「おい、守香」

『兄貴に、私のやり方に指図されたくなんかない!!』

ピシャンとドアを閉めて廊下を走る

緑谷side

「あーあ、怒らせたか…」

「あ、あの正守さん…」

「あ、出久くん。ごめんね、騒がしくして」

「あ、いや…」

「どうかした？」

「…あの、守香ちゃん」

「？」

「…頑張ってると思います」

「え？」

「僕、ちょっとあることで守香ちゃんの仕事のこと知って…」

「！」

僕がそう言えば、正守さんは驚いた顔になる

「僕、人より見える体質で…守香ちゃんは親身になって相談してくれたり、話してくれたり…それに、僕が危ない時に守ってくれたりしてくれたんです
だから、守香ちゃんは」

顔を上げて正守さんを見ると、正守さんは怒っていた

「ったく、あのお人好しは」

「ま、正守さん？」

「あぁ、ごめんね。守香は人が良すぎるから…でも、よろしくね」

「あ、はい！」

「勝己くんも、“見える”なら、ちゃんと言ってね」

「フン……」

守香side

屋上に寝転がって結界を張って邪魔されないようにする

よし、1時間目はサボろう

そう思って寝返りを打つ

別に、兄貴に言われて怒ったんじゃない

ただ、私や良守よりも才能がある兄貴に、「方印」が出なかったことに疑問でしかない

悔しいのは兄貴のくせに、その兄貴が選ばれたとかそんなこと言うから

こっちが辛くなるんだ

「あ、ここにいた」

『(ﾊﾞｯ!!』

「おはよう、守香ちゃん」

『い、出久くんと』

「……………………チッ」

『爆豪くん…』

「守香ちゃん、1時間目ばっくれる気でしょ」

(うわぁ、バレた)

「ハッ」

『おい、なんで笑った』

「あぁ!?」

「いや、あの、2人とも？」