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「あ、桜だ」
『今年に入ってもう3度目だなぁ。この桜』
春も終わったというこの季節に、桜が咲いている
烏森学園の桜
「狂い桜」と呼ばれている
「綺麗だよね、夜桜とかしたりしたいな」
『ダメ』
「え？」
『夜の学校は危ないし、あの桜はよくない』
「よ、よくないって？」
『…とにかくよくないの。絶対ダメだからね』
念を押したけど、好奇心が勝るだろうなぁ
緑谷side
守香ちゃんに念を押されたけど、やっぱり夜桜してみたいと思う
今夜1人で行ってみるのもいいかな
「烏森学園？」
「なんだい、そこは」
「守香ちゃんの中学で、中高一貫なんだけどね。そこの「狂い桜」っていう桜が、今年に入って3度目になるんだ」
「え、咲いとるん!?」
「うん。とっても綺麗なんだ。今夜、夜桜を見に行こうかなって」
「だが、夜の学校は見回りの先生がいるはずなのでは？」
「ううん。守香ちゃんに聞いたけど、見回りの人はいないんだって」
「そうなんや…。私も見たいなぁ」
「真夜中だから、危ないもんね…」
「緑谷くんも見たらすぐに帰るんだぞ！」
「うん」
ーその夜…ー
守香side
「そろそろか…」
『なんで桜ばっかり何度も咲くんだろーね』
桜の下で良守と寝そべりながら見上げる
「殿様、桜が好きだったからねぇ…」
「へー、そうなんだ…」
『“狂い桜”か…。どっちかっていうと、“狂わせ桜”だよね』
「ああ、時守様もそんな風に言ってたよ」
「開祖が？」
「桜ってのは見る者を浮かれさせるからねェ…。平常心じゃいられないのさ」
「でも…時守様によると、それこそが烏森のツボなんだとさ」
「ツボ？」
と、その時女の子の声と誰かの足音が聞こえた
「えっ、ヤダ！違っ…」
「え、守香ちゃん!?」
ほら、来た…
私と良守は立ち上がると、互いに背を向けてやってきた人に声をかける
2人「帰れ」
「えあっ!? な、なんですか、いきなり!?」
「え、なんで？」
「いいから帰れ」
『ここ危ないから』
「おおお、お言葉ですが、私、これから人を待たないと…」
「あの2人なら俺がとっくに追い返したぞ」
「えぇっ!?」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年9月28日 21時
