ヒーロー科と結界師2 (ページ14)

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「夜未さん…。あなた、その鬼のためだけにこんなことを…？」

「……あんたの父親が大嫌いだって言ったの、あれ、本当よ
なんだか自分を見てるみたいでさぁ…。弱いくせに何か守るために必死に戦って…でも結局負け犬なのよ
あんたの父親は死んで、私はヨキを守りきれなかった…」

「あたしは…負け犬だとは思いません。最後まであたし達のために戦ってくれた、父に感謝しています」

時音ちゃん…

「あんた達の荷物、裏門の外の川べりに隠しといたわ。あとで探してごらんなさい」

そう言い残して歩いていく春日さん

「守香」

『？』

「今日はありがとう。助かったわ」

『…………』

そう言いながら微笑む時音ちゃんに、『別に』と顔をそらす

『言い方に腹が立っただけだし』

「ありがとう、守香ちゃん」

(え…)

慌てて振り返ってみれば、時音ちゃんはすでに歩き出していた

『え、え!?』

(…バーカ)

「お前、ナチュラルに呼ばれてたな」

『だよね!? 全然気づかなかったよ!?』

「まぁ、時音に久しぶりにあんな呼び方されたもんな」

『…うるさい』

「なんだよ、嬉しいくせに」

『～～～～…!!』

良守に図星を突かれて頬を染め上げる

「え、図星なわけ？」

『結!!』

「ほがっ!!」

『変なこと言ってないで、さっさと片付けるよ!!』

(なんだよぉ、都合悪くなったらそうなるんだから…)

(バッカみたい…今更呼ばれたって…)

仲良くなんてできない

ー翌日ー

「守香、守香！」

『んー？』

布団を頭までかぶって寝ていると、父さんが来た

『なぁに？昨日でかい奴来たし、修復も大変だったから…もうちょっと寝かして…』

「ごめんね、仕事で疲れてるのはわかるけど…。お父さんじゃ無理なんだ…。これから朝ごはんも作らないといけないし…良守が止めに行ってくれてるんだけど…」

『ほっとけばいいよ…。どうせすぐに終わるから』

「で、でもぉ…」

あーーーーー、もう

『わかったから、私のお弁当におかずたっくさんね！』

「うん、お願いね」