ヒーロー科と結界師2

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9話親ページ1

「お父さん。お仕事いくの？あたしもいく」

「時音…。それはまだダメだな」

「なんで？あたしもうちゃんと術使えるよ！」

「うん、それはよく分かってる。時音はとびきり優秀だ。父さんが殿様なら褒美をとらすところだぞ！
まあ、残念ながら父さんは殿様じゃないけどな

じゃ、行ってくる」

「ちょっとお父さん！」

「だから褒美はないぞ」

「いらない！手伝いしたいの！」

「じゃあ内緒の話をしよう。父さんな、時音が大好きなんだ
可愛い一人娘を戦場に出すなんて父さん、もー耐えられない!!

だからせめて、中学に上がるくらいまではさ、父さん1人に任せといてよ
父さんは時音みたいに、方印が出なかったけど…でも、頑張るからさ。ね」

……………………

(……………………なんか変な夢見た)

臨時休校の今日は、一日中道場で稽古をしているけど、やる気にならない

『良守～』

「んー？」

『ちょっと散歩してくるから、ケーキ作ったら置いといてね』

「おー」

キッチンで料理をしている良守にそう言い残して、私は外に出た

「あら」

『！』

「守香ちゃんじゃない」

『引子さん』

ー緑谷家ー

「ごめんね、こんなものしか出せなくて」

『いえ、お構いなく』

コーヒー牛乳を出してくれた引子さん

出久くんは走り込みに行ってるらしい

「どう？雄英は。出久から色々聞いてるけど」

『まぁ、色々と苦労しますけど、楽しいですよ』

「そう…。良守くんや時音ちゃんとは？」

『良守とは仲良いですよ』

「時音ちゃんは？」

『時音ちゃんは…』

あの時以来、ちゃんとまともに話してないからな…

『仲はいいと思います』

「そっか…」

それから他愛もない話をて夕方になる

「今日はありがとうね」

『いえ、私もありがとうございました。とっても楽しかったです』

「お家のこととか、学校のこととか頑張ってね」

『はい』

引子さんに見送られて私は出久君の家を出た

お母さん、か

(母さん、何してんのかな)

たまにしか帰ってこないし、母さんの顔、見たいなぁ