番外編 クリスマス ページ45
「今日!! 12月25日といえば〜〜〜〜」
「クリスマス〜〜〜〜!!!」
「サンタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
朝から共同スペースではしゃぐみんなを見ながら、電伝虫を取る
番号を押して、かけてみれば
《レン!!!》
『メリークリスマス、ルフィ』
《しししし!!》
『サンタから、プレゼントは届いたの？』
《来たぞ!!! 山盛りの肉が!!!》
『よかったね』
《おう!!》
食べているのだろうか、後ろからバタバタと音がする
《レンには来たか？》
『え？』
《サンタ!!!》
『…んーん、来てないよ』
《そうなのか？》
『うん。でも、欲しいものもないからいいかな』
ポスンッとソファーに座り、電伝虫の向こうのルフィの話を聞く
《レンのところにも、サンタ来てくれたよかったのになァ》
『私が欲しいものは、サンタでも用意できないよ』
《何が欲しいんだ？》
『お金♡』
《レン、お前何があったんだよ…》
ルフィとも会話を終わらせると、息を吐いた
私が欲しいものなんて、絶対に叶うわけない
『いい子のところに、サンタは来るけど、私には来ないもの』
どんなに願っても、帰って来てくれるわけがないから
そうでしょ？サボ
「レンちゃん!!」
『(ﾊｯ』
「今からクリスマスパーティーするから、早く早く!!」
出久くんに手を引かれ、みんなのもとに向かう
「何してんだよ、海波」
「ほら、早くサンタコス着替えて」
「食いもんも、もう用意してるから」
「プレゼントも用意してるから、あとでプレゼント交換だね」
ガヤガヤするみんなを、パチパチと見る
「ほら、早く」
手を差し出され、素直に重ねる
パーティーが進むにつれて、なぜか笑みが止まらない
「どうかした？」
『んー…。ちょっとね』
隣に座る出久くんの手を見ながら、『この手も』とまじまじと言う
『大きくなったね…』
「そりゃ、僕も成長するから」
『…あんなに小さくて、綺麗な手だった今じゃ誰かの救いを求める手を掴む温かい手になってるなんて』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年11月26日 20時
