現海賊は現在ヒーロー科15 (ページ44)

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番外編3 ページ44

そこには

「レン…？」

『海波レンですよ。いや、今日は紳士かな』

長い金色の髪は一つに束ねられていて、俺より低い身長が、俺よりも大きくなっていた

「お前、なんで」

『今日はさ、光己さんのお誕生日じゃん。それで私は、今日は私の成長というかさ、私が何を経験して何を得たのかっていうのを報告しようと思って』

スーツにシークレットブーツ、いかにもどこかの紳士のようにしか見えない

『私はね、光己さんを実の母親だと思ってる
私を守って死んだお母さん………。光己さんは、私をずっと“見て”くれていた…。
そんな人を、私は大恩を感じてる。実の母親じゃない、でも光己さんは私にとって大切なお母さんだと思ってる』

キュッ、とネクタイを結んだレンは『だからね』と微笑む

『私は、この家族が…大好きだから』

それからババアは、レンの姿を見て驚いていた

『光己さん』

「はい」

『私は、光己さんと出会えて、爆豪家の皆さんに出会えて本当に嬉しかったです
私の母と父は、私が小さい頃に死んでしまいました…。
なんとか逃げ出した私は、そこで勝己くんと出会い、この家に迎えてもらいました
私にとって、光己さんは母親。勝さんは父親、勝己くんは大切なきょうだいでした
光己さんの性格に、私は何度も助けられてきました
光己さん、私を拾ってくれたこと、自分の実の娘のように慕ってくれたこと、ここまで育ててくれて本当にありがとうございました
ヒーローになったら、私はこの家を出ます
その時に、笑って貴方達にちゃんと感謝の言葉が言えるようになります
光己さん、ありがとうございます。愛しています』

レンからの手紙に、ババアは涙を流した

「お礼を言うのは私の方なのに………。ありがとうね、レンちゃん」

それから、リビングでババアのためにダンスが行われた

どこで覚えたのか知らないエスコートの仕方や、ダンスの踊り方

ダンス踊れないくせに、必死になって練習していたこと

「最高の誕生日よ、レンちゃん。ありがとう」

なぁ、レン

いつか帰る世界でも、俺たちは家族だ

忘れたりしたら、殺すからな