現海賊は現在ヒーロー科14 (ページ4)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:36,105 hit

116-2 ページ4

『この国を見れば、一番にやらなきゃいけないことぐらい、私だってわかる!!!』

押し倒されながら、叩かれながら叫ぶ

“ゼルはね…砂なんかに負けないよ…”

『あんたなんかの命一個で賭け足りるもんか!!!』

「じゃあいったい何を賭けたらいいのよ!!!」

“…私は!!! あの男を許さないっ!!!”

「他に賭けられるものなんて、私、何も…!!!」

ｶﾞｼｯ!!!

ミラウさんの腕を掴む

『私達の命くらい一緒に賭けてみろ!!! 仲間だろうが!!!!』

「!!?(ﾎﾟﾛｯ!!」

そう叫べば、ミラウさんは涙を流した

小さく、嗚咽を漏らしながら

私は、息をゆっくりと吐くと微笑んだ

『…なんだ、出るんじゃない』

「！」

“反乱はきっと止めるから！”

『涙』

立ち上がり、服についた砂を払う

フードを目深くかぶって涙を見せないようにするミラウさんの頭に、手を置いてわしゃわしゃとなでる

『本当はあんたが、一番悔しくてあいつをぶっ飛ばしたいんだ!!』

自分の愛する故郷を、こんな目に合わせたあいつを

誰が許すと思う

誰だって悔しくて、誰だって憎いと思う

1人で抱え込む子だとすぐにわかった

ビビと同じだから

あの子も、そうだったから

泣かずに、一番悔しいくせに泣かなかった

何もないわけがない

ここに、一緒に

来たんだから

『教えろよ、クロノシスの居場所!!!』

必ず、私が

あいつを倒してやる

「ミラウさん…」

「……………」

「レン」

『これ以上涙を流させない』

「…………!!」

『これからずっと、泣いたりなんかしないようにしてあげるから!!! この国を、必ず救ってやるから!!!
だからもう、泣くな!!!』

大きく背中を向けて叫べば、鼻声で「うんっ!!!」と返ってきた

(絶対に!!!)