雷門の女神2 (ページ7)

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灰崎は立ち上がり、病室を出る

1人残された海風は、少女を見つめた後灰崎の後を追いかけた

灰崎はロビーのテレビがフットボールフロンティアのニュースを伝えているのを見ていた

インタビューを受けているのは、元・雷門の「炎のエースストライカー」豪炎寺修也

今はサッカー強化委員として、木戸川清修でプレーしている

海風も少し遅れながら、テレビ画面を見る

豪炎寺は明日の星章学園戦を展望し、対戦相手のキーマンに灰崎の名を挙げた

「灰崎は星章の力でもあり、弱点でもある
完全なるチームワークを誇る我ら木戸川清修なら、綻びを抱えた不完全な星章学園を倒せる」

そう言い切った豪炎寺に、『さすがだな』と頼もしい目線で、テレビ画面を見た

海風はちらりと灰崎を見ると、彼の拳が震えているのがわかった

それに気づいていながら、海風は前を向いた

「今日は付き合わせて悪かったな」

『いや、構わないよ』

「………………」

病院の前で別れることになった海風は、灰崎と話していた

少し黙った灰崎に、フッと軽く目を閉じながら微笑む

『聞かないよ』

「！」

『君は君が思うようにサッカーをしているだけだ
私は何も言わない
だが、これだけは覚えておいてくれ…

復讐だけが、サッカーじゃないから』

手を振り、クマのぬいぐるみを持ちながら歩いていく海風

「復讐だけがサッカーじゃない…」

・木枯らし荘・

「復讐？」

『！』

木枯らし荘に帰ってきた海風は、食堂の前を通ろうとすると明日人の声が聞こえてきた

「あぁ。あいつがサッカーをしている理由は、復讐のためらしい」

「なんでサッカーをすると、復讐になるの？」

チラリと顔をのぞかせれば、小僧丸が説明していた

「詳しいことはわかんねぇが、茜って女が絡んでいる」

「茜…誰？」

「まさか、恋人とか!?」

のりかがグンと身を乗り出している

「あと、アレスの天秤とか言ってたけど、なんのことかは分からなかった」

「アレスの天秤？」

明日人が聞くと、すかさず万作が説明する