雷門の女神2 (ページ48)

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翌日、海風はイナビカリ修練場での特訓を抜けていた

というのも、監督から木戸川清修に行けとの指示が出された

木戸川清修へ向かって歩き、正門にたどり着くと中を見る

赤いユニフォームがグラウンドの中で颯爽と駆け回っている

その中でもひときわ目立つのが、あのエースストライカー

赤い炎を纏わせたボールを蹴り込めば、彼のシュートはゴールの中へ

本気でサッカーを楽しむ彼の姿に、昔のある人を重ねる

(お前は、影山が戻ってきたと知っているはずだよな…。風丸がどうして奴に従順になるのかも、わかるのか？

私には、わからないんだ…。なぜ、あんなに仲間思いのアイツが、どうして奴の下につく…)

迷いのない一直線のシュート

今の海風には到底打てるわけのないシュート

グラウンドでは、シュートをした豪炎寺がふと正門の方を向いた

黒い帽子に黒いパーカー

見間違えるわけがない、自分の大切な友人だ

「海風…？」

「どうしたんだ、豪炎寺」

「西垣、すまないが特訓を続けていてくれ」

「え、あぁ」

正門の方へ走っていく豪炎寺を見た西垣は、正門にいる人物に西垣は首を傾げた

「どうしたんだ、いきなり」

『あ、あぁ、ちょっとな』

「…？」

『星章学園との試合の後だから、アフターケアをしようかなと思っていたが…必要はないようだな』

「あぁ、次の試合に向けて頑張っている
お前はいいのか？次の対戦相手は帝国学園だろう？」

『…あぁ』

「海風？」

なぜか様子のおかしい彼女に、豪炎寺は違和感を覚える

サッカーが大好きで、元・雷門のメンバーである風丸のいるチームとなれば彼女は、嬉しそうに笑うはず

それなのに、彼女は今笑っていない

「…少し話さないか？」

『…え、でも』

「練習なら大丈夫だ。抜けると伝えてきたからな」

『え、あ』

なぜかジャージを持っていた豪炎寺は、それを着ると海風の手を引いた

『ご、豪炎寺!?』

「いいから」

自分の手を引いて走っていく豪炎寺に戸惑いながらも、海風は黙って手を引かれた