雷門の女神2 (ページ18)

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海風は、そんな思い出を思い出しつつ、フィールドを見つめた

豪炎寺と三兄弟が、息を合わせてボールを運ぶ

「何やってんだ！
止めろよ、役立たずどもが!!」

イラついている灰崎に、海風はどうしたものかと額に手を当てた

「役立たずはお前じゃないのか？」

と、天野が言い返した

「あ？」

『ディフェンス、集中しろ!!』

海風が厳しく言う

豪炎寺たちはもう目の前に迫っていた

「行くぞ」

豪炎寺は三兄弟に目で合図を送った

三兄弟は一箇所に固まって小さな三角形を作り、3人同時シュートをした

3人「トライアングルZ!!」

ところが、ボールはゴールの枠を捉えず、高く上空へ打ち出された

『灰崎!!構えるんだ、シュートチェインだ!!』

海風の言葉と同時に、三角形のオーラが炎に包まれ、赤く巨大な竜巻エネルギーが発生した

「僕たちのトライアングルZに」

「豪炎寺のファイアトルネードを加えた」

「これぞ、最強のシュートっしょ！」

『あれは…!!』

豪炎寺の右足がボールを捉えた瞬間、4人が同時に叫ぶ

「爆熱ストーム!!」

『新必殺技か…!!』

強烈なシュートか炎の竜巻の中を突き進み、灰崎ことネットに刺した

1対0、木戸川清修が先制だ

豪炎寺たちが喜んだ一方、星章学園の左曽塚や折緒は、惨めに倒れている灰崎を鼻で笑っていた

「クソがぁああああああ!!」

立ち上がった灰崎は、怒りに任せ鬼道に狙ってボールを蹴った

鬼道は涼しい顔でトラップし、ボールを足元に置いた

『やはり、灰崎は気づかないか…』

試合が再開されると、またも木戸川清修がチャンスを作った

三兄弟が高くジャンプし、ボールを蹴り上げながら上昇していく

3人「トライアングルZ!!」

空中で放ったシュートは、豪炎寺めがけて一直線に進む

「打たせるか!!」

本来ならゴールキーパーである天野が、豪炎寺に素早く寄せる

ところが、豪炎寺は触らずスルー

ボールは大きくカーブし、棒立ちの灰崎をすり抜けゴールに吸い込まれた

早くも2対0

灰崎は屈辱に震えていた

いや、勝手に震えていた

それを鬼道と海風は見つめていた