0-4 ページ5
校舎に慌てて入った少女は、帽子をかぶり直すと靴を履き替えて校舎内を進んで行った
すると、向かい側から歩いてきた小太りの少年に気づいた
『すまない、そこの君』
「！」
『校長室はどこかわかるか？』
「この先をまっすぐ行ったところに…」
『そうか、ありがとう』
道を尋ね礼を言った後、帽子のつばに手を添えた
チラリと見えた赤く滾った灼熱の瞳
小太りの少年は、目を見開くと「まさか…」と声を漏らした
・校長室・
ｺﾝｺﾝ
軽くノックをすると、「どうぞ」と声が聞こえ静かにドアを開ける
帽子を脇に抱え、『失礼します』とはっきりと声をかける
『海風亜真音と言います。すでに連絡が来ていると思いますが、サッカー強化委員として参りました』
「あぁ、わざわざ都会からご苦労様です」
背を向けていた伊那国中の校長、冬海が気味の悪い声を漏らした
『
「ああ、それでしたらお断りさせてもらいます」
『…は？』
間の抜けた声に、咳払いし『断る、とは？』と聞き返した
「ですから、必要がないのです」
『必要がない、その理由をお聞かせ願います』
「伊那国のサッカー部は、廃部させてもらいます」
『廃部？』
少女…海風の眉がピクリと動いた
“廃部”、という言葉をよく耳にしていたから
『どういうおつもりで、そのようなことを口にしているんです』
「もう決めたことです。遠いところから来てもらってすみませんね
ですが、もう覆ることのない件ですので」
『あなたの権限で、サッカー部を廃部にさせるという意味がわかりません
とにかく、判を押してもらいましょう』
バンッ！と机に書類などを乱雑に置く
「ですから、判は押しませんよ」
『ですから、これは協会が定めた』
「あの〜…」
『！』
校長室のドアから、眉を寄せて気まずい空気を出す少年達がいた
グラウンドでサッカーをした彼らだ
「君たち…」
「あの、校長先生に提案が…というかお願いが…。あの、また後ででも？」
『構わないよ、入ってきてくれ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サッカーバカ(プロフ) - 桜さん» コメント、ありがとうございます。質問に関しては、また物語を進めていくうちに出せたらなと思います。ヒロインはかっこよくてモテればいいな路線で行ってます！ (2019年9月16日 19時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 亜真音は、モテますか? (2019年9月16日 19時) (レス) id: aa9d607400 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 質問です。亜真音は、可愛ですか? (2019年9月16日 19時) (レス) id: aa9d607400 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。 (2019年9月16日 19時) (レス) id: aa9d607400 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年9月16日 14時
