現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ5)

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「ダメだ」

「なんでだよ!!!」

「なんでも何も……なんでおれがあんな女の子守しねェといけねェんだよ!!!」

「子守じゃねェよ」

「同じだ!!!」

あれからしばらくしてからエースが来て、おれがレンに言った提案をしてみると、エースはキレた顔でその意見を断った

「だいたい、素性も事情も知らねェ女を案内してどうするんだよ!!! コイツ、もしかしたら海賊の仲間かもしれねェんだぞ!?」

「だったらなんで船で気絶してたんだよ」

「仲間に逃がされてそのままとかいうケースだ」

「どんな場合だよ!!!」

はァ、と頭を抱えているとレンが眉を寄せていた

『あ、あの…別に街のことはいいよ。私も、エースくんの迷惑考えずに』

「名前で呼ぶな!!!」

「エース!!」

「おれは、お前みたいなわけわかんねェ奴と仲良くする気なんかねェんだ!!!」

「言い過ぎだぞ、エース!!!」

ぐっとおし黙るレンに、エースはずっと睨んでいた

『ごめんね』

困ったように眉を寄せながら笑ったレンは、『家に戻ります』と言ってトボトボと歩いて行った

「あーあ、あれ絶対泣かせたぞ」

「知るか。行きてェなら、サボが行けばいいだろ」

「お前のそういうところ、悪いところだぞ」

「ほっとけ」

「レンはここに来てまだ日が浅いんだ。いろいろ教えてやらねェと、ゴミ山の人間や端町の人間が襲ったら、大変なことになるんだぞ？」

「別にあんな奴が死のうが生きようが、おれには関係ねェ。それより、海賊貯金だ」

「………」

あとで、レンに謝るか

レンside

サボくんから嬉しい提案をしてもらったけど、やっぱり誰かもわからない人間とは仲良くしたくないと思うエースくん

私だってそうだ

サボくんはとてもいい人かもしれないけど、どんな人かわからない

エースくんも、自分の名前すらも名乗らなかった

サボくんが言ったから、名乗ったとはならないけど

『人に嫌われるって、どういうことなのかな』

ホケーーッと空を眺めていれば、無性に海が見たくなった

海が見える場所に向かって、私は腰を下ろした

『きれいだなァ』

青く澄み渡るきれいな海に、私はずっと眺めていた