現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ20)

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『私の好きにしていいんなら、この懐中時計、エースくんとサボくんの海賊貯金の足しにして!!』

「はァ!!?」

「レン、いいのか？」

『うん。私、今までずっと2人に守られてきたから、その分のお礼も兼ねて』

「だってさ、どうするエース」

「………………。ったく…その代わり、もう負けるなよな」

『うん!!』

懐中時計を受け取ってポケットに入れたエースくんは、「それより」とサボくんを見た

「レンにいいやつ見つけたんだ」

『いいやつ？』

「あァ、こっちだ」

と、サボくんとエースくんに手を引かれて来たのは、さっきまで2人がいた場所だった

『2人とも、何がいいやつなの？』

「これだよ」

『鉄パイプ？』

「あァ」

「レンの分、まだ探してなかったからさ」

「これなら、レンも使えるだろ」

と、渡された鉄パイプは手に馴染みやすく扱いやすかった

『いいの？使っても』

「ここら辺のはゴミだし、誰も使わねェからな」

『なら、いいけど…』

「それに、強くなるには武器を持っておかねェとな」

『それで、サボくんもエースくんも鉄パイプなんだね』

「あァ!!」

「持ちやすいから、レンでも使えるぜ」

パンパンと鉄パイプを手で鳴らすと、すぐにわかる

使いやすい

『うん、私これ使う』

「っし」

「じゃあ、これからレンは悪童としていこうぜ」

『悪童って…』

「今日はどうする？」

「クマかトラだよなァ……、なんなら、イノシシもいい」

ご飯の調達なのだろう

2人が嬉しそうに、楽しそうに話す

「レンは何が食いたい？」

「なんでもあるぜ」

『えーとね……って、イノシシなんているの』

「いねェことはねェけど、いるぜ」

いるんだァ…

まァ、クマとか野牛とか獲ってくるならまずいるよね

『じゃあ、なんでもいい』

「なんでもいいって……」

「…逆にわかんねェぞ」

『2人が食べたいの、私も食べたい!!』

2人「！」

そう伝えると、2人は目を見合わせてフハッと笑った

「そういうことなら、サボ行こうぜ」

「あァ！」

「レンはあそこで待ってろ！」

「とびっきりでけェの獲って来てやるから!!!」

走っていく2人を見送って、私は海賊貯金の場所へ向かった