現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ18)

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レンside

2人を待ち続けること30分ほど

暇にもほどがあるので、ゴロンと寝転がる

草木の匂い、風の音

『気持ちいい…』

“トラ～！”

“レン、草のベットだ”

“わァ～!!!”

『草のベット、懐かしい』

ゴロゴロしていると、冷たいものが頬に当たる

「何してるんだ？」

『サボくん』

「こんなとこで寝っ転がって」

『えへへへ。あれ、エースくんは？』

「エースなら街でメシ盗んでくるんだって」

『え、ご飯も盗むの!?』

「まァ、エースならすぐに……」

「おーーーーーい、サボ～～～～!!!」

「あ、ホラもう来た」

ニヒッと笑って帰ってきたエースくんは、ドサっとこんもりとした袋を持っていた

『何盗ってきたの？』

「りんごだ」

『りんご？』

袋を開けると、真っ赤なりんごがたくさんあった

『こんなにたくさんのりんご、重くなかったの？』

「こんなの重くなんかねェよ」

「けど、よくこんだけ盗んできたな」

「それがよォ」

数分前・エースside

「リンゴでも盗むか…」

八百屋の前で立ち止まり、おれは静かにリンゴに手を伸ばした

何個か盗むと、店の奴が気づいた

「お前は……悪ガキ!!!」

「へっ！」

リンゴを袋に詰め込み、おれが走り出すと店の奴が追いかけてくる

「待てェ!!!」

(しつけェな)

どうやってまくか考えていると、いきなり転けた

「は？」

なんもねェのに、なんでこけるんだ？

起き上がっては転けて、と繰り返している

な、なんなんだ？

「ってことがあったんだ」

「不思議にもほどがあるな」

『幽霊が、エースくんを助けてくれたのかもね』

「はァ？バカなこと言うなよ」

だいたい、ユーレイなんていねェだろ

緑谷side

「エース先生」

「いやァ、ノリでやってみるのもいいもんだな」

「八百屋のおじさん、大怪我ですからね!!?」

「まァ、りんご食いたかったし」

「それは小さい頃のエース先生がでしょ!!?」