現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ17)

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『でも、その肝心の海賊貯金はどこにあるの？』

どこを見回しても、箱みたいなのは全くない

「ココだ」

『ココ？』

サボくんが指したのは、足元だった

『？』

「よし、じゃあいくぞ」

ガポッと蓋が外れ、中からはキラキラしたものが現れた

『わァ!!!』

「これが、おれたちの海賊貯金だ」

『すごい!!! コレ、2人で集めたの!?』

「あァ、貯めてもう4年になる」

「苦労したよなァ」

『でも、どうしてこんなに集めてるの？』

「おれたち、海賊になりたいんだ」

『海賊に？』

「あァ!! 海賊になるには、強くならなきゃいけないだろ？じゃなきゃ、海を進めないし金だっている
まず手に入れるのは、海賊船だ」

「何千万何億かかるかわからねェ船のために、おれたちは金を集めてるんだ」

『夢のために資金を集めてるんだ…』

札束やコイン、宝石のついたキラキラとした装飾品

コレを、2人で4年かけて集めた海賊貯金

『すごいね』

「レンは金集めとかしたことねェのか？」

『お金はお手伝いしてお小遣いとしてもらってたから
それに、お金は奪っちゃダメだって言われたから』

「ヘェ…」

けど、こんなに集めるのって

『大変だった？』

「まァ、それなりにはな」

「苦労はしたぜ」

『そうなんだ…』

蓋を閉めて、私は座り直す

『アレ、行かないの？』

「あ」

「行くか」

「じゃあ、レンはここで待っててくれ」

『うん』

「すぐ帰るからさ!!」

飛び降りていく2人を見送り、私はパタパタと足を動かす

『トラ……元気かなァ』

本当なら会う予定だったのに……

あんなことになるなんて思ってもみなかったから、連絡もしてないし……

心配、してるのかなァ

エースside

「今日はどこで集める？」

「西側の方がいいんじゃねェか？」

「なんでだよ」

「その方が、すぐ戻れるだろ？」

ひひっ、と笑うサボにおれは数秒意味を考えた後、「そうだな」と笑い返す

「お前、丸くなったな」

「は？」

「あんだけレンのこと毛嫌いしてたのにさ」

「……まァな」

認めてくれたから…

今度はおれが