現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ16)

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「まァ、こんな感じだからわからねェことあるか？」

『ううん、特には』

周りを見渡しても、貴族の格好をした人ばかり

ﾋﾟｨｰｰｰｰｰ!!!

「やべっ！」

「警官に見つかったぞ!!」

『？』

「レン、こっちだ!!!」

サボくんに手を引かれ、私は全速力で走った

『な、何!?』

「おれたち、この街で暴れてるから警官に捕まったらヤバイんだ!!!」

『キミたち、問題児なんだね!?』

「こっちだ!!」

端町の路地裏に回ってくねくねと曲がり角を曲がっていく

それが楽しくて、2人の背中を追いかける

(ここにトラがいたら……)

どんなに楽しいんだろ

「な、なんとか、まいた、みた、いだなっ」

「あ、あァ…」

『はァっ……はァっ…』

「大丈夫か、レン」

『う、うん…っ』

汗だくの額をぬぐい、私は2人に笑う

『こんなに走ったの、久しぶりだァ』

「そうなのか？」

『うん』

「レン、走るの速かったよな」

『私、昔から走るのだけは速いんだ』

「そうなのか!!」

「それよりサボ、ついでなんだ。稼いでこうぜ」

「あァ！レンは先に……って、逆に危ねェか…。先にレンを送ってから行こうぜ」

「そうだな…。あそこなら、レンも大丈夫だろ」

『あそこって？』

2人「海賊貯金だ!!!」

『？？』

海賊貯金？

ーーーーー
ーーー
ー

『わァあ!!!』

「ここに、おれたちが集めた海賊貯金を隠してるんだ」

大きな大木に連れてこられた私は、その迫力に圧倒された

『大きい…』

「こっちだ」

エースくんが手を差し出してくれて、その手を掴んで登っていく

落ちても大丈夫なように、サボくんが後ろから支えてくれている

「よっと、ホラ」

『よ、いしょ！』

「よっ」

登り切ると、そこは緑が深くて涼しい場所だった

「ホラ、不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)が見えるだろ？」

『うん！』

「ここなら、誰も登ってこれねェしここに来る奴らもそういねェから、宝を隠すのにはうってつけの場所なんだ」

『確かに、ここなら誰も登れないもんね』