現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ15)

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92話王国G ページ15

爆豪side

鼻がもげる臭いに、顔をしかめる

「なんだこのくっさい場所」

「“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”って言って、別名ゴミ山と呼ばれてる」

「ゴミ山……」

「人がおるね」

「確かに……生活されている風景も見えますわ」

「この国はな…綺麗なものしか興味がねェんだ」

「綺麗なもの？」

「見てればわかるよ」

レンside

「ここはいつも悪臭が漂う場所で、捨てられた大量のゴミ山は日光によって自然発火でいつも煙を上げてるんだ」

「不要になったものがここに集まる
物もそうだけど、人間もそうなんだ。当然、“無法地帯”、医者もなく犯罪と病気が蔓延している
だから人はこう呼ぶんだ、“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”と」

「1日に2度だけ国中から集まった大量のゴミが運ばれて来る。ゴミ山の人間は時々町へ行っては再生物資を売って暮らしてるんだ」

『町へ？』

「あァ…。あそこに見えるのが、“大門”って言って強固な石壁であって通れないんだ
あそこが、唯一の出入り口になってる」

『そうなんだ…。でも、どうしてわざわざ町に行くの？
町に住もうと思わないの？』

「惨めな想いなんか、みんなしたくねェんだよ」

「で、大門をくぐったら通行人を見渡せる歩道が広がってる。まだ少し悪臭が届く“端町”に出る」

『端町？』

「端町は町の不良やチンピラ達がたむろしてる場所なんだ
おれたちはそこで暴れたりしてる」

『暴れてるの!?』

「お前、おれのことつけてたのに知らなかったのか？」

『え"っ』

バ、バレてる……

「はははっ…。あんなに簡単に見つけやすいの、初めてだったよ」

『ううう…かくれんぼは得意な方なのに』

「まァ置いといて……さらに奥へ進むと、小綺麗な“中心街”に出る
さらにその中心にまた高い石壁がそびえ、その中には「王族」と「貴族」の暮らす“高町”っていうのがある

この国の名は「ゴア王国」
ゴミひとつなく、“東の海(イーストブルー)”で、最も美しい国だって言われてる

要らねェものを綺麗に排除したこの国は、「隔離社会」の成功例とも言えるんだ」

『隔離社会…』

ガヤガヤと賑わう街中を歩いていく

「どうだ？」

「わかったか？」

『うん…』

ウェルバムよりも、楽しそうだ