現海賊は現在ヒーロー科12 (ページ14)

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レンside

「おい、レン」

「レン」

「レン!!!」

あれから、エースくんが毎日のように話しかけてくれるようになった

『なァに？』

「今日のメシ、なんだ？」

『エースくんが獲ってきてくれた野牛の丸焼きと、野菜のサラダだよ』

「そうか!!」

なぜかずっと隣にいたりしてくれた

「エースの奴……人が変わったようにレンにべったりじゃねェか」

「何があったんディすかね」

「さァ……」

いつもと変わらない朝ご飯に、ばくばくと食べ進めるエースくん

食器を片付け、外に出ようとするとグインッと腕を引かれた

「レン、行くぞ!!」

『ど、どこに!?』

「サボが言ってたろ!? 町を案内してやるよ!!」

鉄パイプを持って家を飛び出すエースくんに、私は『本当!!?』と笑顔になる

しばらく森を走っていると、サボくんがいた

「あ、来たな！」

「遅くなって悪ィ!!!」

『サボくん!!』

両手をポケットに突っ込んで待っていたサボくん

「レンのそのくん付け、どうにかなんねェのか？」

「無理だろ」

『外そうと思えば外せるけど』

2人「なら外せよ」

『2人はくん付け嫌なの？』

「なんかむず痒いんだよな」

「右に同じく」

『うーん…』

くん付けしなきゃいいってことだろうけど

『エースとサボ？』

「いきなりだな」

「ははっ。でも、そっちの方がしっくりくるけどな」

『しっくりするかなァ？』

「まァ、レンのペースでいいから慣れていけよ」

『じゃあ、今はくん付けで』

「ブレねェな」

私を真ん中に挟んで会話を続ける

「ここはコルボ山って言う山で、もう少ししたら、中間の森っていう森に入る」

「コルボ山には猛獣とかいるから、気をつけろよ」

『猛獣なんているんだ』

「ああ。レンがいたトコには、猛獣いなかったのか？」

『いたけど、みんな優しかったの』

「優しかった？」

『うん。お父さんとお母さんが睨んだら、大人しくなってたんだ。なんでなんだろう』

「不思議なこともあるもんだな」

中間の森も抜けると、鼻がもげるような臭いがした

『く、くっさい』

「初めて来る場所だからな、鼻がもげるのも仕方ねェよ」

「ここは、“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”って言うんだ」