現海賊は現在ヒーロー科 (ページ6)

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『ね、ねェ…ここで海賊っていうのは聞いたことない？』

「海賊？それなら、本とかで読んだことあるぜ!!」

「うん」

『ここで悪い奴らってどんなの？』

「敵だな」

「うん!! その敵をぶっ飛ばすのが、オールマイトなんだ!!!」

『…………』

なんか、見えてきそうで見えてこない

いや、見えてこない

つまり、ここの世界には私たち海賊や、おじいちゃんみたいな海軍がおらず

海賊で言えば、敵、海軍で言えばヒーローということらしい

つまり、私たち海賊や海軍がいない世界

だいたい掴めた

この世界には、ルフィもいない

つまり、異世界ということになる

決して交わることのない私たち大海賊時代とヒーローの世界、それが平行線だったのがいつしかどこかで交わってしまった

あれ、ちょっと待って

だとしたら、私は今ルスカイナじゃなくて、異世界にいるってことだよね？

だとすればだよ？

『どうやって帰るの!!!?』

「うるせぇ!!!」

「かっちゃん…!!」

うっわァ、これどうしよう……

ルフィのご飯まだ用意してないし…これ、今日には帰れる気がしない

よくよく考えれば、家もなければお金もない

2人に聞くと、ここのお金と私たちが使っているお金は全くの別物で、ここでは全く使えるものではないと知った

いや、もう最悪

自分でご飯すらも買えないなんて…

『はァ……』

「どうしたの？レンちゃん」

『いや…もう、色々と絶望したり落胆したり…』

とにかく、寝床を確保しに行かなきゃ…

「レンちゃん、お家は？」

『全くお恥ずかしい限りで、無一文のお家なしです』

「えぇっ!!?」

「お前、何してたんだ」

『全くお2人のおっしゃる通り』

いや、だって、今まで野宿してたし…

雨風しのげたらどこでもいいし…

女の子のかけらもない発言だと思う、今の

『ねェ、この辺りで無料で寝食できる場所ってない？』

「ないだろ」

『……だよねェ』

仕方ない、今日はここで野宿だ

『ごめんね、私ちょっと用事ができちゃった』

かつきくんといずくくんを安全な場所まで送った後、私は大通りに出た

まァ、昔のように手グセが悪いと思ってね