現海賊は現在ヒーロー科 (ページ20)

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包帯も巻き終え、体操服を着て教室に戻る

「レン」

『ん？』

「お前、戻るの遅いぞ」

『女の子には、色々あるんだよ』

「……」

『え、何その色々ってないだろっていう顔。あるからね？あるから!!!』

この子、私以外にはガンロキくんなくせして、私の前だとフワロキくんなんですよね

『ホラ、授業始まる』

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『んじゃ、また明日～』

クラスのみんなに挨拶をすれば、またなあ、とかまたねー、とか優しい言葉が返ってくる

お姉さんは、ルフィたちが恋しいです

靴を履き替えてすぐに門を出て、電車に乗って馴染みある町に帰ってくると、改札近くには勝己くんとその仲間たちがいた

『あれ、どうしたの？』

「ババアが一緒に帰ってこいだとよ」

『え、光己さんが？』

なんでだろう、と首をひねっていると仲間くんたちがゾロゾロと勝己くんの後ろから「なあなあ」と話しかけてくる

『何？』

「海波って、雄英受けんの？」

『勝己くんが言うからね。一応受けるよ』

「マジで」

「あそこの倍率すっげぇのに」

『やるったらやるさ。強くなるためなら、なんだってね』

幼い頃から色々やってるんですよコッチは

盗みや食い逃げや……いや、今思えば食い逃げはルフィたちだけで私はしてない

断じて

「カツキ～早く行こうぜ」

「ああ」

仲間くんたち、基取り巻きくんたちは私と勝己くんの半歩後ろを歩いている

「あっ、ふーせん!!」

『！』

向かいの通りの女の子が手にしていた風船が飛んで行ってしまった

「あーあ」

「飛んで行っちゃったね……」

『………』

女の子の悲しげな表情を見たお母さんは、「また今度ね」と頭を撫でていた

「おい、レン行くぞ…、は？」

『よっ、と』

「わぁ!!!」

ガードレールを踏み台にして高く飛び上がり、飛んで行ってしまう風船に優しく触れ、紐を取ると向かいの通りの女の子の前に降りた

『はい』

「ありがとう、お姉ちゃん!!」

「どうもすみません」

『いえいえ。もう離しちゃダメだよ？』

「うんっ！」

ほんのささいなことで、子どもは笑顔になる

私は、海に出てずっと見てきた