29-4 ページ45
「本邸の方にレディ・エリザベスがいらしているそうです」
「なっ。何故それを早く言わない!?」
「坊ちゃんとお嬢様にゆっくりお食事を召し上がって頂きたかったので」
白いシャツの上から藍色のふんわりとしたワンピース
襟にはシエルと同じ、黒のリボン
いつも通りの髪型に、いつも通りの黒のリボンがヒラヒラとする
「よく噛まなくては、栄養の吸収率も下がりますし…」
「おい。あの平和ボケコンビの受け売りも大概にしろ」
上着を着て、ボタンを閉めるシエル
眼帯を結び、目をゆっくりと開ける
「エリザベス様は、坊ちゃんとお嬢様にお会いになられるまで、ご自宅にお戻りになる気がないそうなので。
お早いお戻りをとのことです」
「ったく…。ケルヴィン男爵の屋敷は調べてあるんだろうな？」
「ええ。時間がたっぷりありましたので。ロンドンから鉄道と馬車を乗り継いで丸一日といったところですね」
シルクハットをかぶるシエルに、上着を着せてその上から大きなリボンを結ぶ
『お前なら1時間とかからず行けるな？』
「ご命令とあらば」
「さっさと終わらせて本邸に戻るぞ」
「
部屋を出て階段を降りる
「シエル！アニエス！また出かけようとしてるな!?」
またうるさいのが、と小さな声でそう言ったシエルにクスリと笑う
「そんなんじゃ治るモンも治らん」
「昨日、お前が寝ずに看病してくれたんだってな」
「えっ、ああ」
「お前のおかげですごく良くなった。ありがとう」
綺麗に笑うシエルに習って、私も『ありがとう』と微笑む
「そーかあ!! 俺のおかげか！やっぱり看病の仕方がいいと治りが違うんだな！」
「ああ。そんなわけで、元気な僕たちはもう行く」
『じゃあな』
「あっ」
ﾊﾞﾀﾑ
.
.
.
ｽﾄｯ
「ここが奴の屋敷か」
「ええ」
立派だな…
「どうだ、臭うか？」
「ええ。全員かどうかはわかりませんが、皆さんご無事の様ですよ」
と、ドアが開いた
「当家へようこそ。お待ちしておりました
ファントムハイヴ伯爵、ファントムハイヴ伯爵令嬢」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サッカーバカ(プロフ) - ベルモットさん» 私もサーカス編書くのが楽しみです！特にヒロインと葬儀屋に関してはシエルと同じようにしていきます。最新刊のお話にたどり着けるよう頑張ります（このシリーズ、長くなりそうな気もしてきました） (2019年8月21日 6時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。次は箱船サーカス編ですよね。楽しみにしています。夢主と葬儀屋に特別な関係性とかってありますか？ (2019年8月20日 10時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年7月26日 10時
