悪魔と契約した2人の女王の番犬 (ページ48)

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「全ての殺人に関わる容疑者リストにいたどの人間(・・)にも無理だった
もちろん、貴女(マダム)にも」

『だが、人ならざる者(死神)が共犯だと言うなら話は別だ』

「僕らに気づかれず一瞬でメアリの部屋に入れるのなら、遠く離れた子爵邸(ウエストエンド)から殺人現場(イーストエンド)まで一瞬で移動するのも可能だろう」

『そして、パーティー会場から従者がほんの数分(・・・・・)姿を消そうとも、誰も気にしない…
つまり、切り裂きジャックでありえるのは、お前達(・)しかいない』

「マダム・レッド、そして、グレル・サトクリフ！」

私達の話を黙って聞く2人

「切り裂きジャック事件の被害者には、「娼婦である事」、「子宮がない事」以外にも共通点があった
全員がマダムが勤めるロンドン中央病院で、“ある手術”を受けている」

『その手術が施された患者を日付順に並べたものが、これだ。被害者の殺された順番と、手術を受けた順番がキッチリと重なっている』

ポケットからリストを取り出し、2人に見せる

『このリストに名前が上がっていて「残っていた」のは、その長屋に住むメアリ・ケリーだけ
張っていれば貴女達が現れると思っていた』

「救えは…しなかったが…」

長屋の中に無残に殺されたメアリ・ケリーが思い浮かぶ

「残念ね、シエル、アニエス。私の可愛い甥っ子…姪っ子…。私の…姉さんの子…
気づかなければ、また一緒にチェスが打てたのに」

2人「……」

確かにそう

気づかなければ今でもチェスを打っていただろう

「だけど…今度は(・・・)譲らないわ!!」

2人「…!?」

ｳﾞｫﾝ！

ｷﾞｬﾗﾗﾗﾗﾗﾗﾗ

2人「なっ…!?」

私達に向かってきたグレルが持つのは、チェンソーだ

「なっ…なんだあれは!?」

「死神は全員魂を狩るための道具を持っています
その名は「死神の鎌(デスサイズ)」
あの様な形は初めて見ますが…。「死神の鎌(デスサイズ)」は厄介ですね」

「アタシに鎌なんてダサイ道具似合わないデショ？
アタシ用にカスタマイズしたの
魂の断末魔と最高のハーモニーを奏でるアタシ専用の「死神の鎌(デスサイズ)」！
もちろん、切れ味は保証付きよ
どんな存在でも切り刻める神(アタシ)だけに許された道具！」