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「もう2度としないからな！」
「ええ、こんな事は今夜限りですよ」
当たり前だ！
「そのまま前へ、突っ切りますよ」
ﾀﾝｯ
やっとついた…!!!
床に手をつき、肩で息をする
「だらしないですね、これしきの事で」
『相変わらず、ダメね』
「アニエス…」
「お嬢様」
『なんとかついたみたいね』
いたずらっ子のような笑みを浮かべて、僕の手を取って立たせるアニエス
「今、水を」
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
！
「素晴らしい。駒鳥のように可愛らしいダンスでしたよ、お嬢さん」
ドルイット子爵!!
向こうから声をかけてくるとは…
「お嬢様、私は何かお飲み物を」
そう言ってセバスチャンは、下がった
「えっと…」
『お褒め頂き光栄ですわ。妹はダンスが少し苦手ですの』
「ほう…」
と、子爵はアニエスの手を取る
「本日は誰といらしたのかな、駒鳥さんたち？」
アニエスの手の甲にキスを落とすドルイット子爵
じょわっと、キスをされたわけでもない僕はトリハダが立った
『ア、アンジェリーナ叔母様に連れて来て頂きましたの』
「マダム・レッドの？」
ふきふきと、しれっと手の甲をドレスで拭いているアニエス
「そうか…楽しんで頂けてるかな？」
「素敵なパーティーに感動しています。…でも、私もお姉様もずっと子爵とお話ししたかったの」
純真無垢の少女を演じる
「ほう」
「ダンスもお食事も飽き飽き」
「わがままなお姫様だね、駒鳥」
「！」
と、僕とアニエスの後ろに立つドルイット子爵
「もっと楽しいことをご所望かい？」
と、腰に手を回してくる
さらに鳥肌がたった
ガマンだ!!
ガマンしろ僕!!
この為だけに僕はっ…、あんなとこやこんなことまで、したんじゃないか!!!
『え…えぇ』
「子爵もご存知？もっと楽しいこと…」
「もちろん…君たちになら教えてあげるよ、可愛い駒鳥たち…」
と、顔を近づけてくるドルイット子爵
ぐわああああ、全てが終わったらすぐに始末してやるこの男!!
とにかく、ダンスが終わる前になんとか引き出さないと…
『楽しいことって？』
アニエスが聞いている間に、僕はちらっとある方向を見る
エリザベスだ
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年7月1日 0時
