5話 秋 ページ29
夏休みが明けても、やはり東京は暑い
ジワジワと滲み出る汗を鬱陶しく思いながらも、学校へと歩いていく
「おはよ〜。って、藍黒くなった？」
『できる限り外に出ないようにしたんだけどね…痛い』
「日焼けしたら赤くなるタイプだもんね」
うなじが赤くてヒリヒリする。この夏休み、極力外に出ないようにはしていたし、日焼け止めもガッツリ塗ってた
でも、日差しの脅威はその上を行き、外に少し出ただけで焼けた
「じゃ、私先に行くね〜」
クラスへと慌ただしく向かっていく千代を見送り、下駄箱で上履きに履き替えていると「おはよう」と静かな声が投げられた
顔を上げると、スマホを片手に立っている孤爪だった
『おはよう』
「…首」
『え？あぁ…日焼け。向こうも日差し強くて』
「……」
『…？』
赤くなっている首を見た孤爪は「痛そうだね」と靴を履き替え始めた
『うん、結構痛い』
「宮城は楽しかったの？」
『ほとんど外に出てないし、出かけてない』
「えっ…なにしに行ったの」
『避暑？』
「宮城って涼しいの？」
『東京よりは涼しいよ』
なんとなく並んで歩いて教室へと向かう
なんとなく、なんとなくそれが少し嬉しい
「あ、そうだ」
『？』
「猫又監督、もう少ししたら戻ってくるんだって」
『えっ』
「考えてね」
教室に入る手前でそう言われた。フッと軽く笑った孤爪は颯爽と静かに教室へと入っていく
鞄を持つ手が、少し震えた
『…孤爪』
「？」
『今の、ホント？』
「…嘘言ってどうするの」
『そう、だけど』
「猫又監督のことはクロが言ってたし、確信が持てるわけじゃないけどもうすぐで戻ってくるらしい
マネージャーをするかは倉梨さんのさが決めることだけど、バレー部のマネージャーに興味があるんなら…」
『………！』
「来た方がいいよ」
ガッと近くの机にぶつかるほど後ろに下がった
獲物を狙うような瞳で見つめられ、怖くなった
(なんだろう…大変な人と、知り合ってしまった気がする)
猫っけのある彼からは、なぜか…これから逃れることができないのではないかと
そう、思った
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紅 - いつも楽しませてもらってます！4話夏なのですが、黒尾が3年と言っている所があります。見間違いであればすみません！ (3月14日 23時) (
レス) @page30 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - もちだんごさん» ひゃー！すみません！ご指摘ありがとうございます！！また修正します！これからもよろしくお願いします！ (3月11日 19時) (レス) id: c458529519 (このIDを非表示/違反報告)
もちだんご(プロフ) - いつも楽しみにしております！5-2話なのですが、本編の一年前であるはずなので夜久さんは3年ではなく2年なのではないかと思います。勘違いであれば申し訳ございません！ (3月11日 17時) (レス) id: 993fbeabfe (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 続きが気になる…！楽しみにしてます！ (2月29日 23時) (レス) @page13 id: bbca191512 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月29日 11時) (レス) @page12 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2024年2月28日 9時
