グッバイ、クレメンス (ページ5)

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全校集会

それは、3学年が一斉に一同する場であり、とても気が狂いそうに長い長い集会
すでにカルマはサボりを決め込み、私は渋々と言った形で体育館へと足を踏み入れた

「おはよう、八島さん」

『おはよう、渚くん。早いね』

「あはは…カルマくんは？」

『サボりなんだってさ。あいつのああいうところ、尊敬したいね』

「尊敬するところかな…」

呆れた笑みを浮かべながらも並んでいる渚くんとは反対に自分の場所へと行こうとすると、体育館の入り口から生徒会長ワッペンを腕にはめた男が現れた

(うわあ〜…五英傑…)

顔がいいとは言えない人間が4人と、その中でも容姿美麗の男が1人堂々とした出立ちで歩いている
女子生徒が頬を染め上げ、男子生徒が期待の眼差しなどを向けている中、苦手とする男が私を見つけた

「八島」

『…』

何で話しかけてくるのかわからない。その神経を疑い、顔をそらした

「今日は、赤羽は一緒じゃないんだな」

『どいつもこいつも、あいつとニコイチ扱いすんのやめてくんない？』

「キミとあいつはニコイチだろう？」

『腹立つ』

小首を傾げて何を言っているんだという顔でこっちを見てくる浅野にブチギレたくなったが、それをなんとか耐える

「それより、今日の転校生について知ってるか？」

『？なんで？』

「いや…」

『？』

「いや、何でもない。とにかく、サボらないようにな。お前は赤羽と同じでサボりの常習犯だからな」

『はいはい』

そう言って舞台の方へと歩いていく浅野たちを見送り、集会が始まるのを待った

全校集会が始まれば、長々と始まる校長の話に加えて生徒会の今後の活動や学校行事についての話、部活動での表彰などそういったことがメインになっており、転校生の話は今か今かと待ち侘びられ、待たせられる分期待が膨らんでいく

多分、全校生徒が思ってる

どんなイケメン転校生なのだろうか

って

あいにく、私にはどんなイケメンでも、彼に勝る人間はいないと思っているので、そこまで期待はしていないけれど

「では、皆さんがお待ちの転校生をさっそく紹介していこうと思います」

生徒会の荒木が言うと、転校生というワードに全校生徒はざわめき出す