グッバイ、クレメンス (ページ4)

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それは、高校生ぐらいの時にとあるカメラマンの取材でアメリカへと同行していた時のことだ

その取材は、アメリカのストリートギャングについての取材で警察を通してストリートギャングのボスに取材をしたのだ

その彼は、とても美しい金髪と翡翠の瞳を持ち、容姿美麗で頭脳明晰でもあり、誰もが羨むものを全て持ち合わせた天使のような人間だった

その名をアッシュ・リンクスと言う

アメリカでは名の知れた殺人鬼だそうだ

だけど、噂に聞くほど彼は恐ろしい人間ではなくただその辺にいる男の子と何ら変わりがなく、ただ普通の男の子だった

彼は苦しんでいた

それ以上に傷ついていた

だから、守りたくて助けたくて、そばにいたかったのに

彼の手を、私は離してしまった

『でも、この季節でくるってよっぽどの理由がありそうだけど』

「まあ、それは俺も思ったけど俺らには関係なくね？」

『あんた…あんたが振ってきた話題なのに』

「ちなみに、年齢は俺らと同じなんだってさ」

『へぇ…』

「結構頭いいらしいから、A組にでもいくんじゃない？」

『エリートコースじゃん』

A組にいくなんて、なかなかのエリートだ
勉強バカか頭おかしいやつしかいないようなクラスなのに

物好きもいるとはこのことだ

「ま、楽しみだね〜」

『はいはい…』

読んでいた小説のページにしおりを挟み、本を閉じる

季節は冬へと差し掛かる

記憶もなにもかも、置いていってしまうこの季節

誰も知らないあの頃

もう、忘れてしまえれば

「おはよう、八島さん」

『おはよう、渚くん』

「今日はカルマくんと一緒じゃないんだね」

『あいつとニコイチと思われてるのが嫌だ』

「ははは…」

中学2年にもなれば、クラスメイトたちとも普通に雑談をする仲にはなるけど、それも仲のいい人間とだけだ

「そういえば、今日の全校集会で転校生が来るんだって」

『へー。学年集会じゃないんだ』

「なんでも、外国人なんだって」

「外国人なんだ」

「カルマくん」

「おはよー、渚くん」

「おはよう」

『で、外国人ってどゆこと？』

「あ、うん。なんか、結構イケメンなんだって。職員室に行った人がそう言ってたよ」

「へー」