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「最新鋭の戦闘機に襲われた時も…逆に空中でワックスをかけてやりましたよ」
((だからなぜ手入れする!?))
「そのスキをあわよくば、キミ達に突いてほしい。キミ達には無害でこいつには効く弾とナイフを支給する」
政府の人たちによって配られたBB弾とゴム製のナイフを手に、戸惑いを隠せない私たちに烏間さんはさらに続けた
「キミ達の家族や友人には絶対に秘密だ。とにかく時間ない。地球が消えれば、逃げる場所などどこにもない！」
「そういうことです。さあみなさん、残された1年を有意義に過ごしましょう！」
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
『！』
ぼーっとしていたら、授業が終わり慌てて号令に合わせて立ち上がった
「昼休みですね。先生ちょっと、中国行って麻婆豆腐食べてきます。暗殺希望者がもしいれば、携帯で呼んでください」
それだけ言った先生は、窓からそのまま飛んでいってしまった
「えっと…マッハ20だから」
「麻婆の本場、四川省まで10分くらい」
「確かにあんなもん、ミサイルでも落とせんわな」
「しかもあのタコ、音速飛行中にテストの採点までしてるんだぜ」
「マジ!?」
「うん。俺なんかイラスト付きで褒められた」
「てか、あいつ何気に教えるの上手くない？」
「わかふー。私放課後に暗殺行った時、ついでに数学教わってさぁ。次のテストよかったもん」
口々にそう言う中、「ま、でもさ」と諦めたような声を出す人間が1人
「しょせん、俺らE組だしな」
「頑張っても仕方ないけど」
そう
タコ型の超生物で暗殺のターゲットなのに、あの先生はなぜか普通に先生してる
私たちも同じ
即席の殺し屋であるのを除けば、普通の生徒だ
けど、私たちE組は、少しだけ普通と違う
ここ、椚ヶ丘の勉強についていけなかった脱落組、それを「エンドのE組」と呼び、毎日山の上の隔離校舎まで通わされ、あらゆる面で差別を受ける
落ちこぼれのE組に舞い込んできたとびきりのビッグチャンス
頑張っても無駄だと理解している私たちにとっては美味しいよのだ
そして、あの先生にはわからない
みんなから暗殺のターゲットにされるってことは、裏返せばみんなに実力を認められているということ
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年9月18日 13時
