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『あった…まだ残ってた』
目的の場所、私たちが幼い頃に作った秘密基地
黒い海賊旗が風でなびいている
自分たちの名前の頭文字を書いた海賊旗
中に入れば、幼い頃には広いと感じたものが今では少し手狭に思えてしまう
あ
『これ、エースの鉄パイプ』
ここに置いてたんだ
どこに置いてったのか教えてくれなかったから、どうしたんだろうと思ってたら…
『私の身長だと、エースの鉄パイプの方が合うのかな』
立てかけられている錆びた鉄パイプをとる
エースが使っていた鉄パイプは、ところどころ血が付いてたり汚れてたり…
7年の思い出を思い出させてくれるには、十分だった
『新しい鉄パイプもあるし、子どもの頃の鉄パイプはお休みだね』
新しい鉄パイプを背に背負って、小さい頃から使っていた鉄パイプをエースの鉄パイプの横に立てかける
『今までどうもありがとう』
そうお礼を伝える
“頑張ってね”
『え？』
基地から出ようとすると、そんな声が聞こえた
気のせい？
私は基地に微笑んでから、外へと出た
「セレナ〜〜〜〜!!!」
『ルフィ、どうかしたの？』
「今、クマ獲ってきたんだ！一緒に食おう!!」
『うんっ!!!』
ルフィと最後のご飯
「セレナも明日行っちまうのかァ」
『寂しい？』
「寂しいに決まってるだろ!!?」
『フフフ…甘えたね、ルフィは』
小さい頃から変わらないルフィに、私は何度助けられたんだろう
「セレナ、風邪引くなよな」
『も、もう引かないよ』
「それと、酒もダメだぞ」
『うん』
「これじゃあ、どっちが上かわかんねェな」
『うっ…』
ルフィに言われるなんて…
『お姉ちゃん怒ったよ!!!』
「はははっ！」
ポカポカと拳で叩けば、自然となぜか涙が流れる
「え!? セレナ!!?」
『あ、あはは…変だなァ…。勝手に出てきちゃった』
一気に思い出す
サボとエースと出会った頃の思い出
ルフィと出会った思い出
エースと仲良くなれた思い出
4人で兄妹弟盃を交わした思い出
夢を語り合った思い出
離れ離れになった思い出
恋を自覚した思い出
7年間の思い出が、一気に蘇ってきた
『ごめんね、すぐ止めるから』
言葉と裏腹にずっと流れ続ける涙に、ルフィも一緒に泣いた
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サッカーバカ(プロフ) - コトナさん» 泣ける作品になれてよかったです！ (2019年8月17日 5時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
コトナ - この部分とっても泣きました。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: 3cbf90e97f (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます！だいぶ更新早いですが、よろしくお願いします (2019年5月22日 15時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 続編おめでとうございます！!今後も続きが楽しみです!! (2019年5月21日 2時) (レス) id: 45b985bd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年5月20日 23時
