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マックスの部屋の角までくると「マックスはどこ!?」というジェシカの声が聞こえてきた
鬼の形相で銃をボーンズとコングに向けている
「怒るとシワが増えるぜ、おばさん」
『ジェシカ…』
「………あんたとは、二度と会いたくなかったのに…
ホントに…可愛い来瞳にちょっかい出すんじゃないわよ」
相変わらず元気なジェシカに、私は苦笑いを浮かべるばかりだった
ジェシカを連れてケインのアジトへ戻る
「ジェシカ！」
「……やっぱり来やがったな、じゃじゃ馬…」
「ハーイ、英二。当たり前でしょ！いきなり護衛をつけるなんて言われて、黙ってられるわけないじゃないの！」
「マイケルはどうしたんだ、子どもをおっぽってきたのか!?」
「姉のところよ。連れてくる方がよっぽど危ないわ！」
激化し始める夫婦喧嘩にアッシュと奥村さんは耳を塞いでげんなりとする
「あーうるせー。結婚なんて絶対するもんか」
「全く同感…」
『あら、いいじゃない。ああいうの、喧嘩するほど仲がいいとも言うし』
「来瞳は結婚願望あるのか？」
『ない』
「ないのかよ…」
『でも、憧れるぐらいはあるよ。私には、縁遠いものだけど』
結ばれることも、結ぶこともない
自分の人生
ーーーーー
ーーー
ー
夜が更けた
このアジトでは基本雑魚寝になる
はんごうを使ってお水を沸かしていると「くそっ！」という苛立ちの声が聞こえてきて、『アッシュ』と肩に毛布をかけてパソコンにかじりついているアッシュに声をかけた
『飲む？ミネラルホットウォーターだけど』
「悪くないな」
カップに注ぎ分けた白湯からは湯気が立ち上る
『今度の相手は手強そうだね』
「元フランス軍、外国人部隊の精鋭だ」
『元傭兵かぁ〜…嫌な記憶しかないや』
「ただの殺人鬼さ。あいつは人を殺したくて仕方ないんだ。だから戦場は好都合なのさ。合法的に人が殺せる」
『はぁ…最低だね』
ふーっと白湯の熱を息で冷ますけどなかなか冷めてはくれない
「ったく、わざわざ出かけてって人を殺したいってやつの気持ちがわかんねーよ。俺なんか殺したくなくたって向こうが殺しにきやがるってのに」
『そうだね』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年4月17日 8時
