74話 キミを助ける ページ2
ブランカさんと別れた後、移動したのはアッシュのアジト
もちろん、ショーターやアレックスたちがいる
「…………」
『えっと…？』
「こいつ、俺の弟分で今のチャイニーズのボスのシン・スウ・リンだよ。会ったことあるだろ？」
『う、うん…』
私をじーっと見つめるのは、私よりも年下であろう男の子、シンだった
ショーターにバシバシと背中を叩かれたシンは「痛えよ、ショーター」と嫌そうな顔をしていた
「こっちは来瞳。知ってるだろ？」
「あぁ」
『えっと、よろしくね』
「…あぁ」
私が差し出した右手に彼は答えるように握ってくれた
その手にあるなにかに気づいたのはすぐだった
『これは？』
「あぁ、飛竜牙だよ」
『飛竜牙…』
見せてくれたのは、尖った刃のようなものがワイヤーに繋がれている武器だった
(なんて物騒なものを…)
「いやあ、コイツってばこの飛竜牙習得するのにどんだけ時間かかったか！」
「ショーター、それ言わなくてもいいだろ」
がはははと笑っているショーターに私は苦笑いを浮かべ、飛竜牙をしまってもらった
『それより、アッシュのこと…』
「ああ、そうだったな」
「シン、どうだ？」
「あぁ。こいつはうちの若様の側近から仕入れたネタだが、ゴルツィネは近々どこかのホテルでパーティーを開く
例の脱税騒ぎにケリがついた祝いだ。狙うとしたらそこしかねぇ」
「パーティーじゃ、お客の手前用心棒をウロウロさせるわけにはいかないからね」
「…問題はそれがいつかってことな」
「うーん…」
みんなが唸りながらどうするか深刻に考え込み始める
ゴルツィネがいるということは、数人はボディーガードを連れてくるということだから、警備は強いかもしれない
そこからアッシュを連れ出す…
「ま、月龍様から聞き出すさ。そっちはパーティーに潜り込む方法を考えときな
それから念のため言っておくが、今度はアッシュの腕に期待するなよ」
「なんでだよ？」
「パーティーに連れ出すくらいだぜ？何らかの対策を取ってるってことだ」
『大丈夫よ』
「「！」」
『アッシュには、指一本も…髪一本だって触れさせない』
私がしっかりとそう言い放つと「あぁ、そうだな」とショーターが肩を組んできた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年4月17日 8時
