35話 夏休み ページ34
7月も終わり、8月に突入
夏休みも半ばというところ
「日本の夏は暑いな…」
『イタリアはまだ涼しいもんな』
アイスを食べながら歩いているウチとフィディオ
夏休み中はこっちにおるらしく、それまでは円堂くんの家に泊まったりしたり…
この野郎、なんか楽しんどる
「そういえば、マモルが言ってたんだけど夏祭り？っていうのがあるらしいんだ」
『へぇ…フィディオはいくの？』
「あぁ！アモーレはどうする？」
『行かなーい。暑いし』
「えー。マモルが言ってたけど、浴衣？っていうのも着るんだろ？」
『そうらしいー』
「…夏の暑さにやられて理英行きたくないんだろ」
『ご名答。涼しいクーラーのもと、グータラするんが一番の夏の醍醐味』
「じゃあ、行こうか」
『どこに〜』
「サッカーコート」
『……ん？』
あーんとソーダ味のアイスを食べようとしたウチの腕をひっつかんで「さ、行こう」と歩いていく
『は、ちょっ、フィディオ!?』
「マモルが河川敷にいるんだって！早くいくよ、理英！」
『ウチ、行くなんて言うてへーん!!』
ー河川敷ー
「マモル！」
「ん？フィディオ！大岡も…って、どうした？」
「なんでもないさ！サッカーやろう、マモル！」
「お、おう」
ぜぇはぁと息をあげているウチを放ってサッカーをし始めるフィディオに、あとでマジでぶっ飛ばすと決意した
「理英さん、大丈夫？」
『木野さん…みんな、なんで暑いのにやるのかな』
「サッカーが好きだからかしら」
ベンチに座ってみんなのサッカーを眺めるだけでも、ジリジリと太陽のおかげで汗が滲んでくる
『なにもしてないのに汗かくのってなんでだろ』
「たしかに」
『はぁ』
「理英！サッカーやらないのか〜？」
『うるさーい！暑いのー!!』
「走ったら涼しいよ？」
『止まったら暑いよね？』
「走り続けたら？」
『鬼かオイ』
「はいはい、サッカー！」
『ちょ、力強っ…』
ズルズル引き摺られてはそのままコートに入れられた上にフィディオと同じチームにされた
「期待してるよ、アモーレ」
『いつか絶対ぶっ飛ばす…』
ニコニコと隣に立つフィディオにウチはただただ殺意しか芽生えんかった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
