爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ9)

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《姉ちゃん、ごめんな…》

『どないしたん？』

《お皿割ってしもた…》

『怪我しとらん？破片触ってへん？』

《おん…ごめんなさい…》

『怪我してへんならええよ。母さんたち帰ってきた？破片あるから触ったらあかんで』

《うん…母さんまだ帰って来てへん…どないしたらええの？》

『母さん帰ってくるまで触らんとき。リビングで大人しゅうしとき』

《はい…》

なんかとろうとして手が当たって皿が割れてしもたってとこなんやろう
そない落ち込まんでええことやのに

《姉ちゃん、早う帰ってきてな…》

『皿割っただけでへこむん？』

《せやかて…》

『はぁ…母さん帰ってきたらちゃんと謝り』

《…はーい》

何の電話か思ったらただの皿割っただけの話
心配して損した上に、あんなそそくさと出てきてしもた…大事や思われてたら恥ずかしいもんや

肩を落としながらグラウンドに戻ると、みんなはまだ練習中だった

「弟くん、大丈夫だった？」

『お皿割ってしまったって』

「大丈夫なの？」

『大丈夫です。怪我もなくて…片付けはしないで大人しくしてなさいって言っておきました』

「そう…」

「弟さんは何歳なの？」

『小学6年生です。来年は中学生になります』

「じゃあ、雷門に進学かしら」

『そうなると思います。交通の便利も考えたら』

「あら、楽しみね」

楽しそうに会話をしているマネージャーの4人を見てからグラウンドに目線を向けると、円堂くんがちょうどシュートをセーブしているところやった

『…円堂くん、ゴールキーパー似合いますね』

「うん。サッカー部ができてから、ずーっとキーパーだから」

『リベロもやってましたよね？』

「うん！」

「理英さん、リベロ知ってるんですか？」

『言葉ぐらいは知ってます』

「いろんなことを試してきて、みんな強くなった」

「なんだか、今までのことがウソみたいに感じるわね」

懐かしむようにするのに、なぜだか居心地が悪く感じる

そりゃそうだ

彼らが過ごしてきた時間に比べたら、ウチは会ってまだ数時間も経ってへん
それを居心地悪いなんて言うてるんはおかしいことや

「みんなー！一旦休憩ー！」

「美味しいドリンクとおにぎりがありますよー！」

「「お〜!!」」

『まるで子ども』

「ただのサッカー馬鹿たちよ」