爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ8)

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ゴール前に立って腰を落としてしっかりと構えているのが円堂くん

そのゴールを狙うシュート練習をしてるのが、染岡くんを中心としたフォワード陣

他はディフェンスやミッドフィルダーとして活躍している1年の壁山くんや鬼道くんがフォーメーションの確認やディフェンスの練習をしている

『…………』

「どうかした？」

『あ、いえ…』

ただじっと見つめていたら、木野さんに声をかけられて首を横に振った

「円堂！」

「あ、豪炎寺！」

「遅れてすまない…」

「大丈夫だ！」

駆け足でやってきたのは、襟を立て髪を逆立てた切れ長の瞳を持った男の子だった

『彼は』

「豪炎寺修也くん。雷門中サッカー部の炎のエースストライカーって呼ばれてるの」

『エース、ストライカー…』

「全国大会や世界大会でも彼の活躍のおかげで勝ち残れたのも少なくないわ」

「エイリア学園ではちょっとお留守でしたけどね」

『なにかあったんですか？』

「うん、ちょっとね」

あまり、いい話では無さそうだった

フィールドに入った彼を見ていると、その背中が今日の体育で見たあの堂々とした背中を向けていた男の子と重なった

(豪炎寺修也…)

どんな人なんやろか

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ！

「「!!?」」

『え、わっ…ご、ごめんなさい…』

「誰から？」

けたたましいスマホの着信音がグラウンドに響き渡ってみんながウチに振り返る

『弟からでした…ごめんなさい、出ていいですか？今、家に1人で』

「もちろんよ」

ぺこりと謝ってからスマホの画面を横にスワイプしながら『もしもし、どないしたん？』とグラウンドから遠のくように駆け足でその場を離れた

「円堂、今のは？」

「今日、風丸のクラスに転校してきた奴だよ！大岡っていうんだ！」

「転校生…そういえば朝から騒いでたな」

「ま、円堂のあの誘い方に少し引いてたけどな」

「えっ!?」

「当たり前だろ…あんなまくしたてるように誘ったら」

「円堂…どんな誘い方したんだ」

「えー…普通に誘ったんだけどなぁ」

「アレが普通か…まあ、お前だからな…」

「えー！なんだよ、風丸〜」