爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ47)

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イナズマキャラバンが発進したところで、みんながわいわいと楽しそうに喋り始める中、ウチは静かにその話に耳を傾けてた

「大岡」

『ん？どないしたん？』

「さっき、円堂になにを渡してたんだ？」

『あぁ…差し入れにクッキー持ってきたんです。バターとココアとイチゴの』

「へぇ…本格的だな」

『そんなことあれへんよ。母さんが手伝うてくれたから、ほとんど型抜きするぐらいやったから』

「お菓子作りはするのか？」

『あんまり…？凝ったモンは作らへんけど、簡単なモンなら作れるよ』

「たとえば？」

『マフィンとか？』

食い気味に聞いてくる豪炎寺くんに『豪炎寺くんは？』と聞いたら「お菓子作りはたまにするな」と意外な言葉が返ってきた

『お菓子…作るんや』

「妹とな」

『あぁ…じゃあ、料理もするんや。豪炎寺くん、なにができひんイケメンなん？』

「そうだな…特にないな」

『うっわ…』

ドヤ顔で言う豪炎寺くんに『悪い奴やわ〜』と笑いながら前を向いた

『あ、そうや』

「？」

『はい、これ』

「これは？」

カバンから取り出したんは小さいラッピングされたクッキー数枚。それを受け取った豪炎寺くんは「俺にか？」とウチを見る

『そー。嫌なら食べんでええよ』

「いや…まさかもらうとは思ってなくて…」

『あげたいなって思ってラッピングしただけやから。味はあんまり甘くないから食べやすいとは思うけど』

「へぇ…工夫したんだな」

『あっちのクッキーはちょっと甘いねん。こっちはビターな感じ』

オレンジ色のリボンでラッピングしたのを器用に解いた豪炎寺くんは「今食べていいか？」と聞いてきた

『え、今は』

ウチが言い終える前にクッキーを口に含んだ

「ん、うまいな」

『よかった』

「大岡はいいお嫁さんになりそうだな」

『え〜』

「大岡の恋人になる人が羨ましいな」

『ウチはハイスペックなキミの彼女になる人が羨ましいと思うわ…』

全部食べ終えた豪炎寺くんは「ごちそうさまでした」と丁寧に挨拶をしてくれた
『お粗末さまでした』と笑って言う

「大岡、豪炎寺、ポッキー食べる？」

『半田くん、遠足なんですか？』

「そうじゃないって…いる？」

『もらっていいですか？』

「あぁ。豪炎寺は？」

「もらう」

「おう」