爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ39)

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10話荷物持ちくんページ39

「はああああ!!」

ドンッとサッカーボールを蹴る音が河川敷のサッカーコートに響き渡る
ゴールへと向けられたサッカーボールを思い切りセーブしたんは円堂くん

「いいシュートだぜ、染岡！」

「おう！」

円堂くんって、みんなにちゃんと声掛けしとって偉いな…

「大岡」

『？』

「帝国学園の練習試合、見にくるのか？」

『あ』

鬼道くんに聞かれて、今思い出した
そういえば、誘われとった

『えっと』

「行くよな！」

『円堂くん』

「帝国のサッカーはすげぇんだぜ!! 大岡も見た方がいいって！」

『うーん…』

悩むそぶりを見せると「なんかあるのか？」と円堂くんが聞いてくる
ウチ、ほんまに行ってええんやろか…

「どうしたんだ？」

「帝国との練習試合を見にくるかどうかだ」

「あぁ…」

「なぁ、豪炎寺も大岡に来てほしいよな〜」

「まあ、そうだが…大岡にも用事があるだろ？」

『用事は特には…サッカー部じゃないから行っていいのか…』

「？なにかダメなのか？」

『え…だって、サッカー部じゃないから』

「サッカー部じゃないと、試合を見に行っちゃいけないのか？」

『あ…』

豪炎寺くんに言われて、ウチは気づいた
練習試合でも、別に同じ学校の子が見にくるんは少なくないんやった…

『あー…』

「で、どうする？俺としては、大岡に俺たちのサッカーを見てもらいたいが」

「そうだな…帝国は俺が通っていた学校だ。サッカーを見に行くぐらいなら大丈夫だ」

『えぇと…じゃあ、よろしくお願いします』

「あぁ」

「楽しみだな〜！帝国学園との練習試合!!」

楽しそうに拳を作っている円堂くんにウチは『そんなに楽しみなんですか？』と聞いたら「あぁ！」と大きく頷かれた

「またあのシュート、止めてみたい！」

「源田たちもそう思ってるだろうな」

懐かしむように言う鬼道くんの奥から、「円堂くーん！」と木野さんが駆け寄ってきた

「どうしたんだ？」

「先生が呼んでたわよ。課題がって」

「あ」

「円堂…」

「あははは…提出するの忘れてた」

「はぁ…」

苦笑いをして走っていく円堂くんを見送り、ほかのみんなは練習に向かって行った

「あ、理英さん」

『？』

「これ、夏未さんがあなたにって」

『私に…？』

それは、白い封筒だった