爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ35)

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9話決意の意志をページ35

転校してからしばらく経った頃、サッカー部の練習に参加させてもらってからは、だいぶ動けるようになってきたと思う

まだ本調子いうところまでやないけど、うまくはいってきてると思う

(そろそろシュート練習もせんとなぁ)

トン、トン、と足でボールを器用に落とさないようにリフティングしとると、そのボールを奪う影があった

『え!?』

「よっ、ほっ…っと！」

『なんだ、円堂くんか…』

「なんだってなんだよ〜！」

グラウンドの隅っこで練習しとったウチからボールを奪ってそのボールをリフティングしてからキャッチした円堂くん

『どうかしましたか？』

「えへへ！そろそろ、大岡もシュート練習し始めるかなって思ってさ！」

『まだゴール目掛けて蹴る力無いんですけど…』

ポン！とグローブをした手で拳を作って当てる円堂くんに、ウチは冷静に突っ込んだ

「でも、ドリブルもパスもできるようになったんだ。シュート練習に入ってもいいんじゃないか？」

『うーん…』

確かに一理ある…そろそろ、やり始めても問題あれへんと思うし…

『1回だけやってみます』

「おう！ドンとこい！」

自分の胸を叩く円堂くんに、ウチは微笑みコートへと向かった
ゴール前に立った円堂くんは、「思いっきりこい！」と腰を落として構えた

ゴール前にボールを置いて少し離れた場所から駆け出してボールを思い切り蹴る

「へ？」

『あ"』

ボールは思い切り弧を描いてゴールのクロスバーに当たって後ろへと飛んでった

「あちゃー…」

『とってきます！』

「あ、おう！」

グラウンドの外へと大きく飛んでったボールを取りに向かうと「大岡？」と声をかけられて立ち止まると、制服姿の豪炎寺くんが立ってた

「どうしたんだ？こんなところで」

『シュート練習してたら、思いっきりホームランしてしもて…』

「シュート練習を？」

『うん…案外上手くいかんもんよな〜』

飛ばしてしもたサッカーボールを拾い上げて豪炎寺くんを見る

『豪炎寺くん、今から行く？』

「え？あぁ…」

『ほな、早よ行こ。今、まだ円堂くんしか来てへんねん』

「それは、円堂が暇だろうな」

『このままやと、ウチずっと練習に付き合わされるかもしれへんから』

「そのままシュート練習を付き合ってもらったらどうだ？」

『さすがに体力持たへんわ』