爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ34)

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「よーし！今日はここまで！クールダウンしっかりして、みんな帰るぞ〜！」

「「おう！」」

柔軟をし始めるみんなとタオルやドリンクを片付け始める木野さんたち
手伝う言うたけど、ストレッチしっかりしてって言われたので素直にする

(体も硬なったし、ストレッチの回数増やさんとなぁ)

ギチギチに硬まっとる体を感じながら前屈すると、グイッと前に押された

『あだっ…！豪炎寺くん、重い…』

「これぐらい倒さないと、ストレッチにならないぞ」

『無理やりにするんはちゃう…いったたた!! 痛い！』

「あぁ、すまない。意外に硬かったから」

『思ってへんやん、それ…』

ゆっくりと体を起こして、ぐーっと腰を反らした

「大丈夫か？」

『人押した人が言うセリフとは思えませんけど』

「ははは」

悪気のなさそうなその笑顔にムスっとする

ウチかて、怒らへんわけやないのに

自分の荷物を持ってジャージ姿のまま正門へと向かう
空はもう赤く染まり始めてて、帰宅を知らせるには十分な色やった

「じゃあな〜！」

「あぁ」

円堂くんがそのまま家に帰っていくのを見送って、ウチと豪炎寺くんも歩き出す
ウチと豪炎寺くんの家は同じ方向で少ししてからは反対方向に歩いてしまう

「お兄さん、あれからどうだ？」

『全然。ピクリともせーへんよ。ずーっと寝てる』

「そうか…でもきっと目を覚ますさ」

『うん』

青い稲妻橋に差し掛かったところで足を止める

『豪炎寺くん』

「？」

『いろいろとおおきに』

「え？」

『ウチがまたサッカーできるように説得してくれたり、弟のこと円堂くんたちと探してくれたり、一緒にサッカーしてくれたり』

「……」

『ほんまに、おおきに』

境遇が似てるからとか、ただそんな同情から始まるような人ではないことはよぉわかってる
だからこそ、伝えたいと思ったんや

「俺のほうこそありがとう」

『？』

「お前のおかげで、またサッカーが好きになれた」

『ウチ、なんもしてへんよ…』

「それでもさ。ありがとう」

『…なんか、恥ずかしいな』

頬をかいて照れると豪炎寺くんは柔らかく笑う

『ほんま、豪炎寺くんがモテるのよぉわかる気がする…』

「？」